5/19は世界IBDデー - 製薬企業の炎症性腸疾患(IBD)疾患啓発サイトを調査

5/19は世界IBDデー - 製薬企業の炎症性腸疾患(IBD)疾患啓発サイトを調査

若い頃に発症する人も多い炎症性腸疾患(IBD)。見た目からは病気が分かりにくいため、周囲の人からのサポートが得にくい疾患と言われています。今回は5/19の世界IBDデーにちなみ、製薬企業が運営するIBDの疾患啓発サイトを調査しました。無料アプリの配信や工夫を凝らしたイベント開催など、サイト外での活動も紹介します。

IBDの疾患啓発サイトを運営している製薬企業一覧

潰瘍性大腸炎とクローン病の総称であるIBDは若年層で好発し、日本では潰瘍性大腸炎は20万人、クローン病は7万人以上の患者がいるとされています1)。原因が明らかになっていないIBDは特定疾患に指定され、腸の炎症による腹痛や下痢といった症状の発現により、学校生活や就労において困る人が多いのが現状です。

本記事では、製薬企業オウンドメディア定期レポートで対象とする19社でのIBDに関する疾患啓発サイトを調査しています。IBD啓発サイトを運営している製薬企業は5社のみでしたが、各サイトでは内容やコンテンツの工夫が見られました。

IBD疾患啓発サイト調査対象

主な内容としては疾患知識のほかに、腸への刺激が少ないレシピや、就学就労へのアドバイス、患者の体験談がサイト内に盛り込まれていました。IBDは近年少しずつ病気の仕組みが解明されてきており、症状をコントロールできるケースが増えてきています。寛解へと導き、充実した日常生活を送るために役立つ情報を発信しているサイトが多い印象を受けました。

調査したIBD啓発サイトでは患者ストーリーの動画や無料アプリの配信、リアル脱出ゲームなど興味深いコンテンツ、SNSでの情報発信などの工夫が見られました。本記事ではそのうち1サイトを抜粋し、詳しく紹介します。さらにIBD関連のアプリやイベントについても調査した結果をまとめました。他のサイトを含めた調査一覧については、ダウンロード資料を用意しています。ページ下部よりダウンロードください。

ヤンセンファーマ「IBD LIFE」

IBDについての基礎知識、日常生活へのアドバイスや体験談、患者同士のコミュニティサイトなどが盛り込まれており、幅広いコンテンツがバランスよくまとまっている疾患啓発サイトです。

「IBDとともに歩む」の項目では、リアル脱出ゲーム・はたらくプロジェクト・コラボ漫画「はたらく細胞」といった独自性の高い3つのコンテンツを用意。患者自身だけでなく、周囲の人がIBDに関する知識を得たり、患者の体験談から気持ちを理解したりすることに役立つ内容です。興味を持ってもらいやすいであろうゲームや漫画を盛り込むことは、疾患を周知する手段として有効と言えそうです。

コミュニティサイト「トモノワ®」は、会員制オンラインサイトになっており、患者の体験談や専門医からの話に加え、ファイナンシャルプランナーによる生活のアドバイスを掲載しています。一方向だけでなく、自分の体験談を投稿したり専門家に相談したり、患者自身も参加できるコンテンツです。全体的にIBD患者の就学や就労を助ける内容の疾患啓発サイトになっています。

IBD LIFE
https://www.ibd-life.jp/

サイトディスクリプション

IBD LIFE|クローン病と潰瘍性大腸炎患者さんの「どうすれば?」を「こうすれば!」へ

キーワード

IBD(クローン病、潰瘍性大腸炎)患者さんをサポートするサイトです。潰瘍性大腸炎・クローン病患者さん向けの食事や治療、症状に関する情報のほか、患者さんをサポートする情報を紹介します。

コンテンツ一覧

-クローン病
疾患について、基礎知識・治療・日常生活の注意点・体験談などを紹介
-潰瘍性大腸炎
疾患について、基礎知識・治療・日常生活の注意点・体験談などを紹介
-日常生活に役立つヒント
学校生活や就労での悩みに関して、体験談を交え専門医がアドバイス
-医師への相談方法
相談サポートシートと無料の症状記録アプリを提供
-IBDとともに歩む
リアル脱出ゲーム、はたらくプロジェクト、コラボ漫画の提供
-患者さんと働く上司の・同僚の方へ
メンテナンス中
-トモノワ®とは
会員制のインターネットコミュニティサイト
-あなたのページ
クリップメモした記事や最近チェックした記事を確認可能

IBDスマホアプリの配信

IBD患者をより身近にサポートできるツールとして、スマートフォンやタブレット向けのアプリが配信されています。今回対象とした製薬企業の中では、武田薬品工業とヤンセンファーマが提供していました。

武田薬品工業 「IBDノート」

症状記録や服薬スケジュールを管理できる無料アプリ「IBDノート」が、武田薬品工業から提供されています。診察予定日や診察時に相談したいことを入力したり、前回の注射位置を記録したりでき、診察へのサポートツールとして活用できるアプリです。さらにトイレ検索機能では地図を見ながらトイレの場所を探せるため、旅行先やなじみのない場所での不安軽減につながるでしょう。IBD患者向けのレシピやお役立ち情報の配信もあり、セルフマネジメントに役立つアプリです。

IBDノート
https://www.ibdstation.jp/ibdnote/

ヤンセンファーマ 「IBDサプリ」

ヤンセンファーマが提供する「IBDサプリ」は、症状の記録に特化した無料アプリです。日々の排便回数や腹痛・血便の有無などが簡単に記録でき、記録した症状はグラフ化されるため、症状の変化を視覚的に捉えやすくなっています。診察時に医師に聞きたいことを事前に登録することも可能です。学校生活・仕事・旅行・薬の種類などの項目から2つまで選択でき、症状記録とともにアプリを医師に見せることで、診察時に自分から相談しにくい人でも話しやすくなるでしょう。

IBDサプリ
https://www.ibd-life.jp/communication/app/

武田薬品工業 疾患理解を深めるワークショップ

武田薬品工業ではIBDの疾患啓発として、「IBDreamめし」「デジタルポスター」「In Their Shoes」といった活動を実施しています2)

「IBDreamめし」

エームサービス株式会社と共同で、「IBD患者さんが外食で食べたかった夢の食べ物」をコンセプトとしたワークショップを過去に開催。食べ盛りの10~30代に好発する疾患だからこそ、共感できる年代である医療系の学生たちにレシピを考案してもらう取り組みです。考案されたレシピは、メディア向け試食会で振る舞われたり、疾患啓発サイト「IBDステーション」に掲載されたりと、活動の成果報告も行われています。

「デジタルポスター」

IBD患者の気持ちを広く伝えようと、学生とコピーライターやイラストレーターが共同でデジタルポスターを作成するワークショップが開催されました。制作された通勤・会議・食事・働き方の4種類のポスターは、疾患啓発サイト「IBDステーション」にてダウンロードでき、疾患啓発のために自由に利用可能です。

「In Their Shoes」

IBD患者の日常を体験するシミュレーションプログラムです。世界28カ国で実施されている取り組みで、「トイレに行く」「限られた食事選択」などの指示をスマートフォンからの受け、IBD患者の日常を疑似体験します。体験プログラムは、「IBDreamめし」や「デジタルポスター」のプログラム時に実施され、参加者がIBD患者の気持ちを知る手助けになっているようです。

その他、武田薬品工業では市民公開講座や料理教室を開催しています。2023年3月開催の市民公開講座は、メタバースを利用して実施3)。メタバースは、場所を選ばず全国から気軽に参加できる面やリアルな声を聞きやすい場として、これから有効な交流手段となりそうです。

過去に行われた「世界IBDデー」にちなんだイベント

「世界IBDデー」に合わせて過去に開催されたイベントも2つ紹介します。

ヤンセンファーマ 「IBDとはたらく」

疾患啓発サイトでも就学や就労に焦点を当てたコンテンツ作成をしているヤンセンファーマは、世界IBDデーに合わせて2021年5月19日に「IBDとはたらく」と題したオンラインイベントを開催しました4)。仕事と病気のバランスを取り、周囲の理解を得ながら自分らしく働く「ワークシックバランス」を2020年から提唱している同社。イベントでは、働くIBD患者をテーマとした落語や医師と患者のトークセッションなどが行われました。

EAファーマ 「IBDレシピ」SNS投稿企画

今回調査対象ではないものの特徴的な取り組みとして、EAファーマでのSNSを活用したイベントが挙げられます。IBD患者のオンラインコミュニティサイト「Gコミュニティ」を運営する株式会社ジーケア(現在 株式会社グッテ)と共同で、2021年5月に「IBDレシピのSNS投稿企画」を実施しました5)。企画内容は、特設ページ6)に掲載しているレシピから好きなものを選び、自分で作った料理をSNSに指定のハッシュタグを付けて投稿するというもの。抽選で20名にプレゼントが用意されました。同社は、食事内容の記録が行えるアプリの配信も行っています7)。料理写真をAIが自動認識し、カロリーなどを自動計算する機能付きです。

アプリやイベント配信で、より身近に感じられる疾患啓発を

スマートフォンでの情報収集が当たりまえの時代となりました。疾患啓発の手段も、それに合わせて変化していかなければなりません。これからはWebサイトのコンテンツ作成だけでなく、情報提供ツールの選択や開発、SNSやデジタル技術を活用したイベントなどにも力を注ぐ必要があると言えそうです。

今回調査したIBDのように日々の記録が重要となる疾患であれば、症状記録がしやすいアプリの開発がその良い例でしょう。さらにトイレ検索やレシピ掲載といった、付加価値も見逃せません。

セミナーやイベント開催においても、各社さまざまな取り組みを実施し始めています。今回紹介したメタバースでのオンラインセミナーやSNSでのイベント開催などが、今後は増えてくるのではないでしょうか。

本記事では調査対象の一部について紹介しましたが、さらに詳しいコンテンツ一覧など、今回調査した詳細な情報はダウンロード資料よりご確認いただけます。下記フォームに必要事項をご記入の上、お申し込みください。資料ダウンロード用URLをお送りいたします。

<出典>※URL最終閲覧日2023.4.19
1)日本消化器病学会ガイドライン, 炎症性腸疾患(IBD)ガイドQ&A(https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/ibd.html
2)IBDステーション , IBDと歩む-In Their Shoes -(https://www.ibdstation.jp/ibd-intheirshoes/
3)IBDステーション,セミナー&イベントでみんなで学ぶ(https://www.ibdstation.jp/message/event/
4)ヤンセンファーマHP, プレスリリース2021年5月13日(https://www.janssen.com/japan/press-release/20210513
5)EAファーマHP, ニュース2021年5月10日(https://www.eapharma.co.jp/news/2021/0510.html
6)グッテHP, IBDレシピ(https://gcareglobal.com/ibdday/
7)EAファーマHP, ニュース2023年1月23日(https://www.eapharma.co.jp/news/2023/0123.html

ダウンロード資料「製薬企業の炎症性腸疾患(IBD)疾患啓発サイトを調査」

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