10/10は世界メンタルヘルスデー - 製薬企業のメンタルヘルス関連の啓発サイトを調査

10/10は世界メンタルヘルスデー - 製薬企業のメンタルヘルス関連の啓発サイトを調査

ストレス社会とも言われる現代。こころの病気は、年齢を問わず幅広い世代において罹患リスクがあり、人々の関心が高い疾患です。10月10日の「世界メンタルヘルスデー」にちなみ、今回は製薬企業が運営するメンタルヘルス関連の疾患啓発サイトを調査しました。周りの支援が重要となる疾患であるこころの病気を扱うサイトでのコンテンツの工夫や、オリジナル性の高いコンテンツをご紹介します。

メンタルヘルス関連の疾患啓発サイトを運営している製薬企業一覧

こころの病気は一生のうち5人に1人がかかると言われる1)ほど、多くの人に関係する疾患です。1992年に世界精神保健連盟が10月10日を「世界メンタルヘルスデー」と定め、疾患啓発の活動を行ってきました。

こころの病気にはさまざまな疾患が含まれますが、今回は、睡眠障害、統合失調症、双極性障害、うつ、発達障害、アルコール依存症に絞り、メンタルヘルス関連の疾患啓発サイトを調査しました。2023年5月にIQVIAより公開された22年度販売会社ベース企業売上ランキング(期間:2022年4月~2023年3月)より抜粋した19社のうち、メンタルヘルス関連の疾患啓発サイトを運営している企業は、7社19サイトでした。

メンタルヘルス調査サイト一覧

全体的な特徴として、患者本人向けだけでなく、家族や周囲、職場の人へ向けたコンテンツが多く見られました。こころの病気で困っていても本人では症状に気づけないケースが多々あるため、周囲の気づきやサポートが重要となってくる疾患であるためでしょう。各サイトでは疾患が疑われる行動や言動、声かけの具体例などが示されており、実践に移しやすい内容になるよう工夫がなされていました。

ここではオリジナル性の高いコンテンツや仕組みを取り入れていた3サイトについて詳しくご紹介します。その他のサイトも含めた調査結果については、ダウンロード資料を用意しています。ページ下部よりダウンロードください。

武田薬品工業 大人の発達障害ナビ

トップページのイラストやバナーの使い方に、興味がそそられる工夫がみられる疾患啓発サイトです。トップページに配置してある「グラデーションマップ」は、特に目を引くコンテンツです。15の質問に回答することで、研究者や努力家など9つのタイプで結果が表示され、集中・拡散、慎重・楽観の傾向がマッピングされます。思わず試してみたくなる面白みが感じられます。
大人の発達障害について詳しく解説しておりボリュームが多いですが、イラストと概要文付きのボタンで各コンテンツを紹介しているため、気になるコンテンツを探しやすくなっています。また、専門用語にはリンク設定がされており、疑問を残すことなく読み進めることができます。コンテンツ「発達障害関連書籍・映画のご紹介」では、コメディ・家族・学校・イラストなどのタグを設定。全体的に、スムーズに閲覧できる工夫を施したサイトです。
各コンテンツ内では関連コンテンツをリンクボタン表示しており、他コンテンツへ誘導できる仕組みが用いられています。コミック「僕の妻は発達障害」とのコラボ漫画や小島慶子さんのインタビュー掲載など、注目度を高めるコンテンツも用意されています。

大人の発達障害ナビ
https://www.otona-hattatsu-navi.jp/

サイトディスクリプション

大人の発達障害ナビでは、発達障害の特性、セルフチェック、付き合い方・向き合い方、当事者や周囲の人へのインタビューなど、発達障害に関するさまざまな情報提供を通じて「生きづらさを、生きやすさに」変えるサポートをしていきます。

キーワード

大人,発達障害,ADHD,注意欠如・多動症,ASD,自閉スペクトラム症,LD,SLD,学習障害,限局性学習障害,セルフチェック,付き合い方,経験

コンテンツ一覧

  • 大人の発達障害ナビについて

サイトの概要とメッセージを掲載

  • 大人の発達障害を知る

発達障害の基礎知識や種類、混同しやすい・併存しやすい病気を解説。数字での解説や用語集、映画や書籍も掲載

  • 発達障害 みんなのストーリー

患者や家族、専門医などのインタビューを紹介

  • 付き合い方・向き合い方ガイドブック

相談できる先や医療機関、受診・診断の流れ、支援制度やサービス、就労について紹介。周囲の方へのアドバイスもあり

  • スペシャルコンテンツ

漫画形式の患者ストーリーやコミック「僕の妻は発達障害」とのコラボ漫画掲載や、ニューロダイバーシティの解説を掲載

  • セルフチェック

ADHDとASDのチェックリストを提供

  • 大人の発達障害ナビアンケート

サイトに関するアンケートを実施。選択式や採点方式で、訪問目的や良かったコンテンツについて回答。記述も可能

  • 病院・クリニックを探す

QLifeへ遷移

  • みんなのグラデーションマップ

15問に回答すると、自分の精神タイプが分かる。結果は9つのタイプとマップにプロットして表示


沢井製薬 大人の神経発達症.jp

患者と家族に対して事前調査を実施の上、患者やその家族といった当事者だけでなく、周囲の人に特性を理解してもらい、特性に応じた対応を知ってもらうことが重要であるという結果を踏まえて作成された疾患啓発サイトです2)
ADHDやASD、学習障害など各疾患の特徴を紹介し、どのような状態や困りごとがあるのか具体例を示しています。「とらえかたかるた」は、考え方次第で短所も長所になることを理解できるコンテンツです。他にも仕事や日常生活でのちょっとしたコツを紹介する「ライフハック・カード」など、オリジナルのコンテンツがあり、遊び感覚で疾患への理解を深められる工夫がなされています。
チェックリストにはADHD版とASD版があり、結果はポップアップ表示され、印刷可能です。全体的に色使いが多彩なイラストや図を用い、簡潔に疾患について解説していますが、色調調整ボタンを画面上部に配置しており、色味を抑えることも可能です。
2023年3月に公開された新しいサイトであるため、当事者のエピソードやTipsなどが配信予定であり、より充実したサイトになることが期待されます。

大人の神経発達症.jp
https://xn--u9jy52g0ehtz3atza30khriw74b.jp/

サイトディスクリプション

大人の神経発達症(発達障害)についての情報提供サイト。セルフチェックやADHD、ASD、学習障害などの解説、相談窓口のご案内などを行います。

キーワード

なし

コンテンツ一覧

  • みんなの神経発達症(発達障害)エピソード

現在作成中

  • 神経発達症(発達障害)セルフチェック

ADHDとASDのチェックリストを提供。結果はポップアップ表示し、印刷可能

  • 大人の神経発達症(発達障害)

ADHD・ASD・学習障害について解説し、具体的な行動や困りごとを紹介

  • 相談してみませんか

診断に関する情報、生活・仕事・学校別の相談窓口を紹介

  • ライフハック・カード~神経発達症(発達障害)くらしの小技

対人関係・学業や仕事・生活や体調管理に関するコツやテクニックをカード形式で紹介

  • 大人の神経発達症 とらえかた かるた

苦手なことも見方を変えると長所になる例をかるた形式で解説


ヤンセンファーマ 統合失調症ナビ

優しい色や絵を使っており落ち着いた印象を受けますが、ポイントは色枠で囲い強調されているため、重要な内容が分かりやすいサイトです。各コンテンツ下部には関連コンテンツを表示したり、「あとで読む」ボタンをクリックすると「私のライブラリーページ」に保存できたりする仕組みが構築されています。他コンテンツへの誘導や、複数回コンテンツを読んでもらう工夫がみられました。
「統合失調症クイズ」は、患者・一般の方向けと家族向けの2種類を用意しています。周囲の理解やサポートが重要となる疾患だからこそのコンテンツ内容ではないでしょうか。他にも、統合失調症急性期の症状を疑似体験できる動画「バーチャルハルシネーション」の配信や、サポート方法をドラマ仕立ての動画で配信し具体例を紹介するなど、家族や周囲の方へ向けたコンテンツが充実しています。
「統合失調症セルフチェック」では、不安な気持ち・症状・困りごとの3項目を用意。各項目で当てはまった症状に対し、おすすめのコンテンツを表示する仕組みです。「前回のチェック項目を見る」ボタンもあります。状態の変化を確認できるセルフチェックコンテンツは、当事者や家族にとって役に立ちそうです。

統合失調症ナビ
https://www.mental-navi.net/togoshicchosho/

サイトディスクリプション

統合失調症ナビでは、統合失調症という病気のこと、治療のこと、治療後の生活などについて説明しています。本サイトは、ヤンセンファーマ株式会社が運営する、「統合失調症ナビ」です。

キーワード

統合失調症,症状,陰性症状,陽性症状,認知機能,ドパミン,ドーパミン,原因,ノーマライゼーション,著名人,初期,自立,ストレス,社会参加,予後

コンテンツ一覧

  • 統合失調症を知る

疾患の基礎知識や脳の働き、経過について解説。患者数や罹患していた著名人、クイズなども掲載。セルフチェックもあり

  • 診断・治療へと進む

診断や治療について解説。治療薬のメカニズムや剤型、心理療法の紹介もあり

  • 社会参加・自立を目指す

服薬継続の重要性の訴求や体験談を掲載

  • 家族・周囲の方へ

支援のポイントや7つのケース別に具体的なサポート例を紹介。疾患の状態を疑似体験できる動画「バーチャルハルシネーション」の配信あり


患者本人だけでなく、周りの人にも疾患の理解を深めてもらう工夫を

今回のメンタルヘルス関連は、周囲の理解や声かけが患者本人の手助けとなる疾患です。調査では、患者本人向けだけでなく、家族や周囲、職場の人へ向けたコンテンツが多く見られました。武田薬品工業では、子どものADHD啓発サイトにおいて、保護者向けと教育関係者向けの2種類を用意しています。複数の子どもをみる教育機関だからこそ気づくことがありますが、それを当事者家族に伝える難しさもあり、その点をサポートできる内容が教育関係者向けではまとめられていました。

具体例を提示し、受診を促したりサポートしたりできるコンテンツの充実など、周りの理解やサポートを含めた疾患啓発が求められているのではないでしょうか。

<出典>※URL最終閲覧日2023.9.19
1) 厚生労働省, 世界メンタルヘルスデー2023 メンタルヘルスとはhttps://www.mhlw.go.jp/kokoro/mental_health_day/amh.html

2)沢井製薬株式会社, プレスリリース 2023年3月30日
https://www.sawai.co.jp/release/detail/592

本記事では調査対象の一部について紹介しましたが、さらに詳しいコンテンツ一覧など、今回調査した詳細な情報はダウンロード資料よりご確認いただけます。下記フォームに必要事項をご記入の上、お申し込みください。資料ダウンロード用URLをお送りいたします。

ダウンロード資料「製薬企業のメンタルヘルス関連啓発サイトを調査【2023年9月版】」
• 睡眠障害 5サイト
• 統合失調症 3サイト
• 双極性障害・うつ 3サイト
• 発達障害 5サイト
• アルコール依存症 1サイト
• メンタルヘルス全般 2サイト
(各サイトのサイトディスクリプション/キーワード/コンテンツ一覧/特徴)