製薬企業デジタル＆データ活用 実態調査2022レポート – データ編

サマリー

製薬企業デジタル＆データ活用実態調査 実施背景

引き続き、医薬品マーケティングにおいてデジタルを利活用する動きが製薬業界全体でみられています。営業所を撤廃・縮小しMRを減らす企業、リモート専任MRを設ける企業、医療従事者向けWebサイトをリニューアルする企業、新たなコミュニケーションツールを導入する企業など、自社に適した医薬品マーケティング戦略を実行すべく、製薬企業各社はさまざまな施策を行っています。

Medinewでは、昨年に引き続き、製薬業界のデジタル・データの利活用実態を探るべく、2022年7月に業界調査アンケートを実施しました。
（調査期間：2022年7月12日～24日、調査対象：Medinewメルマガ登録者のうち、製薬企業勤務の方（デジタルマーケティング部門、営業企画部門、プロダクトチーム、メディカル部門など）、回答者数：85名、調査方法：ウェブによるアンケート形式）

「デジタル全体の利活用状況」とともに、「デジタルチャネルの利活用」「ツールの利活用」「データの利活用」の3つのテーマで現状・課題を調査。本記事では、昨年の調査結果との比較を交えながら、製薬業界におけるデータ利活用の実態を考察します。

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訪問規制の中での顧客情報取得手段は「医師へのアンケート調査」

利活用しているデータを問う設問では、「医師へのアンケート調査結果」「納入実績」「MR活動によって得られた情報」「本社主義のWeb講演会の参加・視聴ログ情報」「施設の売上情報」がいずれも76.5%と、同率で1位でした。

中でも、「医師へのアンケート調査結果」は、昨年（57.1%）に比べ20ポイント近くアップ。医療機関への訪問規制が続く中、各社が顧客情報を取得するために精力的に医師に向けたアンケート調査を実施していると考えられます。

続けて、「レセプトデータなどのリアルワールドデータ（60.0%）」「自社会員Webサイト内のユーザー行動ログ情報（51.8%）」「外部機関によるMR評価データ（50.6%）」も過半数を獲得。
各社、自社収集データ・外部データ・調査データなど多岐にわたるデータを取得しマーケティングに活用していることが分かります。

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全てのデータの活用率で順調群が非順調群を上回る

顧客へのセールス・マーケティングにおいてデジタルの利活用は順調に進んでいるかという設問への回答から、順調群（「順調に進んでいる」と回答）と非順調群（「あまり順調に進んでいない」「全く順調に進んでいない」と回答）に回答者を分類（n=80）し、それぞれの結果を比較しました。

利活用しているデータを問う設問において順調群と非順調群を比較したところ、今回挙げた12のデータ全てにおいて、順調群が非順調群を上回る結果に。複数のデータを組み合わせたり連携させたりすることで、データ活用の効果を最大化していると考えられます。
特に20ポイント以上の差がついたのが、「医師へのアンケート調査結果（順調群95.2%、非順調群71.2%）」と「地域医療情報（順調群47.6%、非順調群22.0%）」でした。

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データの課題は「医師個人に紐づく客観的なデータ不足」

データ利活用に関する課題を問う設問では、昨年と比べ「医師個人に紐づいた客観的なデータが不足している（61.2%）」が10ポイント以上悪化。昨年長引く訪問規制の中、リアルでの医師とのタッチポイントが減ったことが要因といえるでしょう。客観的な医師のデータが不足しているという理由から、「医師へのアンケート調査結果」のデータ収集に注力する製薬企業が増加したと考えられます。

チャネル、ツールと同様に「人材」「連携」がデータ利活用の課題に

データを利活用する上での課題として、「データに精通した人材・体制が不足している（68.2%）」のほか、「部門をまたがるデータ活用ができていない、取り扱いルールが整備されていない（57.7%）」といった部門間のデータ共有・連携に関する項目も上位にランクインする結果となりました。
デジタルチャネル編、ツール編でも同様の課題が上位に見られていますが、データの利活用においても、人材・体制の整備が十分でない点を多くの方が課題として感じているようです。人材・体制の整備が不十分なことから、客観データの収集や前処理が効率化できず、社内のデータ連携や共有に課題を生じていると推定できます。

ターゲティングやタッチポイントの最適化のためにデータを活用

データを活用する目的を問う設問では、「医師や施設のターゲティング（KOL抽出、若手医師の発掘など）」が83.5%とトップに。次いで「医師へ情報提供する場の最適化（タッチポイントの最適化）」が64.7%という結果でした。いずれも昨年同様の順位でしたが、特に「医師や施設のターゲティング」は昨年（71.4%）から10ポイント以上アップしています。

そのほか、「競合企業の分析」「医師へ提供する情報の最適化（コンテンツの個別化）」「医師へ情報提供するタイミングの最適化（医師へ情報提供する時間の最適化）」も過半数が活用目的として回答。各社、データを活用することで、医師への情報提供におけるチャネル、コンテンツ、タイミングの最適化を目指していることがうかがえます。

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ダウンロード資料「製薬企業におけるデジタル＆データ活用 実態調査2022」

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