5/19は世界IBDデー - 製薬企業の炎症性腸疾患(IBD)疾患啓発サイトを調査【2026年5月版】

毎年5月19日は、炎症性腸疾患(IBD)への理解を呼びかける「世界IBDデー」です。国内のIBD患者数は増加の一途をたどっており、製薬企業各社はオウンドメディアを通じて、疾患理解から日常生活のサポートまで多角的な情報発信を行っています。本記事では、2026年の最新状況に基づき、主要な製薬企業のIBD疾患啓発サイトの動向やコンテンツの工夫を調査しました。
IBDの疾患啓発サイトを運営している製薬企業一覧
国内のIBD(潰瘍性大腸炎・クローン病)患者数は、2015年から2023年の8年間で約1.4倍に増加したと推計されています1)。特に潰瘍性大腸炎の受給者証所持者数は約14.6万人2)に達しており、若年発症の多さや高齢化社会に即した情報提供が課題です。
本記事では、製薬企業20社※が運営するIBDの疾患啓発サイトを2023年版に続き今回再調査しました。
※調査対象は、2024年4月~2025年3月の販売会社ベース企業売上ランキング(出典:IQVIA)より抜粋した20社

IBDの疾患啓発では、疾患知識に加え、就学・就労や食事など生活サポートに重点を置くサイトが多い傾向です。治療に関する情報はもちろん、病気とともに歩んでいく助けとなるコンテンツが求められている疾患といえるでしょう。
ページ下部に「医師への相談シート」を配置し受診を促す仕組みや、楽しみながら疾患を学べるオンラインゲーム、絞り込みができるレシピやQ&Aなど、参考となる機能が豊富にありました。
本記事ではそのうちの1サイトを抜粋し、詳しく紹介します。他のサイトを含めた調査結果については、ダウンロードをご用意しております。ページ下部よりダウンロードしてください。
武田薬品工業 IBDステーション
食事関連コンテンツが充実したサイトです。「おなかに優しいたべものガイド」では、レシピ動画や和洋中別の多彩なメニューを掲載しています。さらに、企業とのコラボレーション企画「IBDream」では、ハンバーガー編やお菓子図鑑、地域ごとの「お土産図鑑」など、患者が諦めがちな「食の楽しみ」を再発見できるユニークな情報を提供しています。
トップページでは、主要なコンテンツが親しみやすいイラスト付きのボタンで整理されており、バナーを通じて新しい情報を紹介。疾患解説ページでは、潰瘍性大腸炎とクローン病の構成を統一。情報の探しやすさを確保しつつ、関連情報へのスムーズな導線が設計されています。
加えて、アプリ「IBDノート」では、症状や服薬の管理に加え、外出時の不安を軽減する「トイレ検索機能」を搭載。デジタルツールによる実用的なサポートを実現しています。また、SNSで定期的に疾患情報を発信しており、疾患啓発活動を積極的に行っています。
IBDステーション
サイトディスクリプション
IBDステーションは、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の症状、治療や患者さんがここちよく暮らしていくための生活の知識をわかりやすくご紹介しています。
キーワード
UC,潰瘍性大腸炎,CD,クローン病,炎症,潰瘍,炎症性疾患,IBD,武田薬品工業,タケダ
コンテンツ
- IBDについて
病態や症状、タイプについて簡潔に解説。レシピや企業共同企画での食事コンテンツが充実。
- IBD患者さんと患者さんを支えるみなさまへ
検査・治療・Q&Aを用意。医療関係者や患者からのメッセージ、生活支援情報、アプリなどを紹介。
- IBDに関するセミナー情報はこちら
オンラインセミナー情報を掲載。過去に開催の市民公開講座のレポートもあり。
- トイレ検索(外部サイト)
地図上で近くのトイレを検索可能
その他製薬企業が運営するIBD啓発サイト・アプリ
ダウンロード資料の調査対象20社以外も、特徴的なIBDの疾患啓発サイトやアプリを運用している製薬企業が見られましたので、いくつか紹介いたします。
杏林製薬 IBDナビ
患者さんが直面する制度面と生活面の双方をカバーする構成が魅力のサイト。特に「難病医療費助成制度」の解説は、都道府県別の手続き方法まで網羅しており、診断直後の不安な時期に頼りになる内容となっています。
また、レシピコンテンツが豊富で、医師監修の季節ごとのレシピを動画付きで紹介。ページ下部には、ワンポイントアドバイスを掲載しています。春夏秋冬の旬の食材を活かしたレシピは、毎日の献立に悩む患者さんにとって、参考となるコンテンツといえます。
IBDナビ
https://www.kyorin-ibdnavi.jp/
持田製薬 炎症性腸疾患との暮らしを話せる社会へ
IBD特有の症状である「便意切迫感」をテーマにしたサイトです。トップページには、プロジェクトメッセージとスペシャルムービーを用意。「疾患理解とサポートの輪を広げたい」という想いが、しっかりと伝わる構成です。
スペシャルムービーには当事者である声優の中村千絵さんを起用し、歌とアニメーションで患者の心情を表現。疾患解説でも「便意切迫感」に焦点を当て、データや体験談を紹介しています。単なる知識の提供ではなく、話しにくい悩みを可視化し、社会全体でのサポートを推進するサイトです。
炎症性腸疾患との暮らしを話せる社会へ
https://www.mochida.co.jp/withibd/
EAファーマ IBDサポート
「IBDサポート」は、AI技術を活用した自己管理ツールアプリです。スマートフォンのカメラで食事を撮影するだけで、AIが内容を解析し、カロリーなどの栄養素量を自動計算する機能付きです。食事制限が必要なIBD患者さんの食事記録をサポートします。
また、排便状況やしぶり腹などの詳細な症状を記録し、CSVデータとしてダウンロードでき、診察時に医師へ提供可能です。さらに、身体記録や服薬通知の機能もあり、生活支援機能が充実しています。
IBDサポート
https://www.eapharma.co.jp/patient/ibdsupport
以下の記事では、IBDサポートの開発秘話を紹介しています。
https://www.medinew.jp/articles/technology/application/eapharma-ibd-app
「食」「制度」「言いにくい悩み」- 解像度を重視し、患者さんに寄り添うサイトへ
今回調査したIBD疾患啓発サイトに共通していたのは、疾患の網羅的な解説にとどまらず、患者が日常で直面する具体的な困りごとに踏み込む試みでした。食事コンテンツや都道府県別の制度解説、言いにくい悩みを切り口にしたコンテンツなど、いずれもテーマを絞り込み、深く掘り下げることで、患者の実生活に寄り添うサイト作りがされていました。 IBDのように長期にわたって付き合う疾患では、「正しい情報を届ける」だけでは不十分であり、「ここなら自分の悩みに応えてくれる」と感じてもらえる切り口を持ち日々の負担をどう軽くするかまで設計する視点が必要なのではないでしょうか。
<出典>
1)東邦大学,プレスリリース, 潰瘍性大腸炎とクローン病の有病者数が8年間で1.4倍に増加
https://www.toho-u.ac.jp/press/2025_index/20250919-1540.html
2)e-Stat, 第10章 難病・小児慢性特定疾病, 特定医療費(指定難病)受給者証所持者数,年齢階級・対象疾患別
ダウンロード資料「製薬企業の炎症性腸疾患(IBD)疾患啓発サイトを調査【2026年5月版】」
・IBD 7サイト
(各サイトのディスクリプション/キーワード/コンテンツ一覧/特徴/SNS)







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