3/1-8は女性の健康週間-製薬企業の婦人科領域の疾患啓発サイトを調査【2026年3月版】

婦人科領域の疾患は、月経前症候群(PMS)や更年期障害、子宮頸がん・子宮体がんなど、幅広い年代の女性に関わるテーマです。製薬企業各社も疾患理解の促進を目的に、さまざまな啓発サイトを展開しています。本記事では、2023年に実施した調査に続き、乳がんを除く婦人科領域の疾患啓発サイトを再調査。構成や機能面の特徴をご紹介します。
婦人科領域の疾患啓発サイトを運営している製薬企業一覧
婦人科領域の疾患は多岐にわたりますが、70~80%の日本人女性が何らかのPMS(月経前症候群)での不調を感じ1)、50代女性の約38%が更年期障害の可能性を自覚している2)とされます。また、婦人科がんでも、子宮頸がんに毎年約1万人、子宮体がんに毎年約1万8千人の女性が罹患3, 4)しており、多くの方が疾患情報を必要としています。
本記事では、製薬企業20社※が運営する婦人科領域(乳がんを除く)の疾患啓発サイトを再調査しました。2023年版とは対象企業に違いもありますが、前回調査したサイトでも構成やコンテンツに変更が見られたものもありました。
乳がんを除く婦人科領域の疾患啓発サイトを運営する製薬企業は、20社中9社、19サイトでした。処方医薬品だけでなく、栄養補助食品や一般用漢方製剤を取り扱う企業による疾患啓発サイトもありました。
※調査対象は、2024年4月~2025年3月の販売会社ベース企業売上ランキング(出典:IQVIA)より抜粋した20社

全体的な印象としては、どの疾患啓発サイトも優しい色使いをしており、イラストやグラフが多く使用されていました。コンテンツでは、体験談や治療の種類も詳しく掲載されていました。
婦人科がんの疾患啓発サイトを運営する5社のうち3社は、総合的な婦人科がんのサイトの中で各種がんの解説サイトを用意しています。また、エーザイは婦人科がん患者の生活に焦点を当て、生活のアドバイスや利用できるサービスを紹介するサイトを運営しています。
ここでは、特徴的なコンテンツを提供している3サイトを取り上げてご紹介します。その他のサイトを含めた調査結果については、ダウンロードをご用意しております。ページ下部よりダウンロードください。
ツムラ 「生理の悩み 相談しようプロジェクト」
生理関連症状をテーマにした若年層向け啓発サイトです。スマートフォンでの閲覧を前提とした構成で、縦スクロールを中心に直感的に読み進められる設計がなされています。また、サンリオのキャラクター・クロミを起用し、音声や動画を組み合わせることで、若年層が情報に触れやすい工夫が見られます。
「漢方からみた体質タイプチェック」は、選択式設問の回答結果をレーダーチャートで可視化し、体質別アドバイスを提示するコンテンツ。症状解説では医療機関での対応と生活面でのケアを併記し、理解から行動までを支援しています。
さらにサイト独自のSNSアカウントを用意し、CMや啓発動画コンテンツを配信しています。
生理の悩み 相談しようプロジェクト
https://www.tsumura.co.jp/seirino-nayami/
サイトディスクリプション
「生理に悩んでいる」女性を、ひとりでも多く減らしたい。生理は一人ひとり違うから、あなたにあった「答え」をお医者さんと一緒に探しませんか?
キーワード
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コンテンツ一覧
- データで見る生理のあたりまえ問題
不調や症状についてのデータを掲載
- 生理に伴うさまざまな不調
症状と病名に分け、原因・治療・生活習慣改善について紹介
- はじめて漢方ガイド
漢方の基本・漢方医学の体質タイプ・漢方Q&Aを掲載
- 漢方からみた体質タイプチェック
8つの選択式質問から体質を診断。なりやすい症状や生活のアドバイスもあり
- 教えて婦人科の先生 Q&A
監修医師による回答を掲載
- 医師からのメッセージ動画
複数医師の診療で大事にしていることや患者へのメッセージ動画を配信
- 応援してくれている医療機関
地域別に医療機関をPDFで紹介
大塚製薬 「更年期ラボ」
「更年期ラボ」は、更年期の症状や対処法を体系的に整理した情報サイトです。キーワード検索では「KW×カテゴリ」での絞り込みが可能で、関心テーマに応じて必要な情報へ効率的にアクセスできる設計となっています。
「更年期セルフチェック」では、複数の症状を4段階で回答すると更年期指数が表示され、自身の状態を客観的に把握できます。結果下部には、生活のアドバイスや製品紹介も掲載しています。
「更年期の症状」は症状・原因・対処法の3項目で構成を統一。ユーザーにとって見通しがよいだけでなく、制作側にとっても一定フォーマットで横展開しやすく、リソースの効率化につながる設計です。
さらに「美女医の美習慣」「オトジョラボ」「WAGAZINE」など、医師コメントや動画、イラストを活用した読み物コンテンツも展開。専門性と親しみやすさを両立しています。
更年期ラボ
https://ko-nenkilab.jp/
サイトディスクリプション
KO-NENKI.Lab(更年期ラボ)は、更年期の症状や対策、更年期の体験談を取りそろえた女性の健康と美容に関する情報サイトです。
キーワード
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コンテンツ一覧
- 更年期とは
更年期や閉経についての基本的情報をイラストやグラフを用いて紹介
- 更年期の症状
精神神経系や血管運動神経系の症状、皮膚・分泌系などに分け症状と対処法を解説
- 更年期の対策
食事・運動・サプリメント・香り・ホルモン補充療法や漢方に分け対処法を紹介
- エクオールについて
エクオールの基本情報や疾患への影響、FAQなどを掲載
- 更年期お役立ち情報
疾患豆知識や女医の美習慣、疾患知識動画を用意
- イラストdeわかる!更年期
医師による疾患解説記事、女性ホルモンによる症状解説動画、女性のためのWell Aging マガジン「WAGAZINE」を掲載
- 更年期セルフチェック
4段階評価で各症状をチェックすると、更年期指数を表示
- 相談できる施設を探す
Googleマップで医療機関を紹介
- セミナーのご案内
地域別に開催予定のセミナーを掲載
- 専門医のご紹介
日本女性医学会の専門医ページへ遷移
- 女性の健康推進プロジェクト
同社が運営するサイトへ遷移
- PMSラボ
同社が運営するサイトへ遷移
アストラゼネカ 婦人科がん.jp内「子宮頸がん」
婦人科がん領域に特化した情報提供サイト「婦人科がん.jp」内で、子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんの3つのがん種別にサイトを用意しています。基本的なコンテンツタイトルやデザインは統一しながらも、挿入写真や解説内容には各がん種の特徴を反映。イラストも共通で活用することで、サイト制作の効率化を図っています。
専門用語の一部にはポップアップ式の用語解説を設け、専門性を保ちながら一般ユーザーの理解を妨げない設計です。ページ下部には「この記事はお役に立ちましたか?」というフィードバック導線を設置し、ユーザー体験の把握や改善につなげる工夫も見られます。
子宮頸がんサイトの特徴は、イラストやグラフ、フローチャートを多用し、視覚的に理解しやすい構成を採用している点です。
LINE公式アカウント「わかる子宮がん」も展開。オリジナルコンテンツや動画解説を配信するほか、「今日の記録」や「受診日ノート」機能を備え、情報提供とサポートツールの2つの役割を担っています。
婦人科がん.jp内「子宮頸がん」
https://www.az-oncology.jp/fujinkagan/shikyukeigan/
サイトディスクリプション
子宮頸がんの治療や日々の生活に関する様々な悩みと向かい合うために、病気や治療について、ご紹介しています。
キーワード
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コンテンツ一覧
- 子宮頸がんについて
イラストとグラフを用いて、病態や傾向を解説
- 子宮頸がんの予防のために
HPVワクチン接種について簡潔に紹介
- 子宮頸がんの早期発見のために
検査方法の紹介と定期検診を促進
∟子宮頸がん検診のすすめ
- 検査と診断
検査と診断の流れをフローチャート形式で紹介
- 子宮頸がんの治療
進行期分類や各段階での治療選択、副作用、再発、がん遺伝子パネル検査を解説
- お悩みQ&A
病態と治療に分け、よくある質問を掲載
- 治療サポートツール
LINEアカウント「わかる子宮がん」の案内
世代や状態に応じた構成・デザインを構築
今回の調査では、スマートフォン閲覧に特化したデザインやLINEでのオリジナルコンテンツ配信といった、ユーザーの使用シーンに応じた工夫も見受けられました。
また、サイト間での構成の統一や専門用語のポップアップ表示は、理解を助けるだけでなく、コンテンツを横展開しやすい設計にもつながります。情報量が増える中で、いかに整理して提示するかは重要な視点です。
正確な情報を分かりやすく届けることに加え、関心を持ってもらい、無理なく情報に触れ続けてもらえる設計も求められています。
<出典>※2026.3.5閲覧
1)日本産婦人科学会,産科・婦人科の病気, 月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)
https://www.jsog.or.jp/citizen/5716/
2)厚生労働省, 更年期症状・障害に関する意識調査(結果概要)
https://www.mhlw.go.jp/content/000969136.pdf
3)日本産婦人科学会,産科・婦人科の病気,子宮頸がん
https://www.jsog.or.jp/citizen/5713/
4)日本産婦人科学会,産科・婦人科の病気,子宮体がん
https://www.jsog.or.jp/citizen/5714/
ダウンロード資料「製薬企業の婦人科領域の疾患啓発サイトを調査【2026年3月版】」
・月経前症候群 2サイト
・月経困難症・更年期 1 サイト
・更年期 3サイト
・更年期・子宮筋腫 1サイト
・女性のがん 1サイト
・卵巣がん 4サイト
・子宮頸がん 4サイト
・子宮体がん 3サイト
(各サイトのディスクリプション/キーワード/コンテンツ一覧/特徴/SNS)







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