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MDMD2022Autumnレポート/医師に会えない今、MRディテーリング活動に有効なデータドリブンとは

MDMD2022Autumnレポート/医師に会えない今、MRディテーリング活動に有効なデータドリブンとは

2022年9月に開催したオンラインカンファレンス「Medinew Digital Marketing Day(MDMD) 2022」。本セッションでは、MSD株式会社の古川清史氏をお迎えし、医療機関への訪問規制が続く中でも効果的なプロモーション活動を行うために同社が進める、データドリブンによるフィールド支援の課題と取り組みについて講演いただきました。

現在のプロモーション活動の課題

冒頭で古川氏は、株式会社エム・シー・アイ(MCI)が提供する『医師版マルチメディア白書』のデータをもとに、コロナ禍での医療機関へのMR訪問規制が続く現状と、それを受けた今後のプロモーション活動における課題を解説しました。

医療機関へのMR訪問規制が続く中、顧客の情報収集手段に変化

現状、クリニック(GP)では6~7割ほどは面会が可能になってきていますが、病院(HP)ではMR訪問規制の解除が進んでおらず、依然として医療機関を訪問してのプロモーション活動が難しい状態が続いています。そのような中、顧客(医師)の情報入手先は変化してきており、特にWeb講演会は顧客の処方行動に影響を与える重要なチャネルとなっています。さらに古川氏は、「デジタルでしかプロモーションが叶わない顧客も存在する」と言います。

このような現状を踏まえ、製薬企業各社はデジタルを活用したプロモーションを引き続き検討していく必要があります。

顧客のデジタル活用が進む中、Web講演会を軸に医師にアプローチ

情報源としてデジタルチャネルを積極的に活用する顧客が増加している昨今の状況を鑑みると、本社主催、3rd パーティ経由、またはMR主導の現地開催といったすべてのWeb講演会をいかにうまく活用していけるかどうかが今後の試金石になると古川氏は話します。医師の処方行動の変更には、Web講演会を主軸に置きながらMRディテーリング活動のきっかけや活動の連続性をサポートすることが求められますが、そこで有効なのが、データドリブンです。

データを活用した新顧客エンゲージメントモデル

MSDでは、多様なデータから明らかになる顧客の興味・関心やネットワークをもとに、顧客それぞれへのアプローチ方法を最適化することでエンゲージメント強化に取り組んでいます。活用している社内データとしては、顧客データ、オウンドメディア(MSD Connect)、Approve Email、MR訪問、医師への調査、そしてイベントから収集できる情報を、外部データとしては、3rd パーティからのデータ、株式会社医薬情報ネットから購入している学会情報データ、論文情報データが挙げられます。

2022.9.30 MSD(株)「医師に会えない時代のMRディテーリング活動強化とは ~データドリブンによるフィールド支援の課題と取り組み~」資料より抜粋

Web講演会の視聴に結びつける付加価値の提供が必要

Web講演会の案内を行う際、従来は講演会の内容のみの情報で顧客にアプローチをしていましたが、学会および論文データから得られる顧客の人脈ネットワークの情報から付加価値をつけることで、より興味を湧かせることが可能となります。
例えば、論文データの活用により、共同論文から顧客同士のネットワークが把握できますが、共著者が演者となる講演会は、他の著者の先生にとって興味深いものであるはずです。

このように、今後は講演会と顧客とのつながりを見出し、プラスアルファの情報として案内に加えることでWeb講演会視聴に結び付ける可能性を上げていくことが必要だと古川氏は話します。

データ活用に求められる3つのポイント

データ活用を行う上で求められることとして、古川氏は3つのポイントを挙げました。

MRを含むさまざまなチャネルデータの連携

1つ目は、MRを含むさまざまなチャネルのデータ連携です。今後デジタルの普及が進んでも、日本においてMRを中心としたチャネルが主流であることは変わらないだろうと古川氏は話します。その中で、3rd パーティが有するデータや論文データなども含めたあらゆる顧客データを一元的に管理し、どのチャネルで活用していくか、という連携が必要になります。

顧客の反応データを速やかに取得、分析して活用

2つ目は、顧客の反応データを速やかに取得、分析して活用していくことです。例えば顧客がMR企画の講演会に参加する場合、基本的に参加後30分以内にはMRにその情報を伝え、フォローにつなげています。顧客の反応データを速やかに取得してMRに伝えることによって、常にリアルタイムに近い対応が可能となり、そういった迅速性が今後求められるだろうと古川氏は話します。

少ないタッチポイントデータからさまざまなデータを取得する工夫

顧客との接触機会の減少により、得られるタッチポイントデータが非常に少なくなっている中で、今後は顧客の反応データをさまざまなルートから取得する必要があります。得られるデータのジャンルが増えるほど、MR活動への活用の幅が広がっていくため、それをいかに実現していくのかが近々の課題になります。

カスタマージャーニーから考えるWeb講演会活動推進

MSDでは、カスタマージャーニーから考えるWeb講演会活動を推進しており、講演会の「計画を案内」→「リマインド」→「IT講演会を視聴」→「フォロー」というプロセスを確実に遂行していくことを大切にしています。

案内、リマインド、フォローを確実に行う

製薬企業各社が開催するあらゆる講演会が乱立している中で自社の講演会に興味を持ってもらうには、顧客それぞれに最適な講演会は何かを考慮したうえで、付加価値をつけながら初回案内を行うことができるかどうかが重要なポイントとなります。

予約を取得できた顧客には、視聴当日まで意欲を向上し続けてもらえるように、リマインドを重ねます。そして講演会終了後のフォローで、面談の設定といった次のアプローチにつなげることで、活動の連続性を取ることができます。このような一連のステップを、大きな講演会またはこだわった企画になるほど、しっかりこなしていく必要があると古川氏は話します。

データを活用して、案内やフォローへのMRの意識を高める

講演会の初回案内を88.5%の割合でしっかり行うことができているMRもいれば、6.8%に留まっているMRもいるといったように、初回案内やフォローなどの活動に個人や組織間で「できている」「できていない」の差があります。MRそれぞれの考え方が多様な中でその差をなくしていくためには、初回案内や直前案内の重要性について、データを示し納得してもらうことが効果的です。
例えば、講演会の2日前、当日、2時間前と、リマインドの回数が増えるほど視聴率が上がっていくことや、顧客によって効果的なリマインドのタイミングが異なることがデータから分かっています。MSDではこのようにさまざまなデータの可視化や分析ができるBIツールを活用することにより、MRの活動や顧客の反応をMRやマネージャーが常に数値として把握できる環境を構築しています。

カスタマージャーニーから考える講演会活動推進
2022.9.30 MSD(株)「医師に会えない時代のMRディテーリング活動強化とは ~データドリブンによるフィールド支援の課題と取り組み~」資料より抜粋

データドリブンマーケティングの実現に必要な2つの柱

製薬会社がデータを活用するうえで、大事な2つの柱となるのが「活動計画の向上」と「活動アクションの向上」です。最適な活動を計画してアクションし、向上させていくといったような正の連鎖反応を起こしていくことによって、効果的なプロモーションが可能となっていきます。昔ではできなかったクローズドループマーケティングが、データを組み合わせることによって実現できる可能性が出てきました。

「得られた情報を分析し、結果をもとに施策を展開するといったクローズドループマーケティングを、データドリブンを活用しながら回していきたい」と古川氏は締めくくりました。