製薬業界マーケティング/DX最新動向まとめ 2026年5・6月版

製薬業界マーケティング/DX最新動向まとめ 2026年5・6月版

昨今、医療・製薬業界でも、業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)やデジタルマーケティングに注力する動きが多くなってきました。本記事では、2カ月に1回、各製薬企業のプレスリリースより、最新製薬マーケティングやDXの取り組みをピックアップ。マーケティング、プロモーション、DXについて、業界全体の最新トレンドや、他社がどのような動きをしているのかを把握できます。今回は、2026年5・6月を対象に最新動向をまとめました。

※調査対象の企業は2025年5月にIQVIAより公開された23年度販売会社ベース企業売上ランキング(期間:2024年4月~2025年3月)の上位20社。50音順にリストアップ 

サマリー

  • 著名人・人気キャラクターを起用したクロスメディア型疾患啓発が加速

MSDは俳優・風間俊介さんを起用したHPV啓発キャンペーンの一環として、医師との対談記事をキャンペーンサイトで公開。参天製薬は「ちびまる子ちゃん」を起用した子どもの近視啓発を、テレビCMに加えYouTube・TVer・Instagram・LINEなど多様なデジタル媒体で全国展開する。武田薬品も夏井いつき先生を審査員長に迎えたコロナ俳句コンテストを読売新聞オンラインと連動して実施。マス広告とWeb・SNSを掛け合わせ、生活者との接点を重層的に設計するクロスメディア型啓発が主流となりつつある。

  • 共感を生むストーリーテリング型動画が国際的評価を獲得

日本イーライリリーの乳がん再発をテーマとしたショートフィルム「日々をつなぐ」が「PR Awards Asia-Pacific 2026」でゴールドを受賞。田辺ファーマと共同制作した肥満症の線画ショートフィルムも「Saniss Awards」2部門でBronzeを獲得した。いずれもYouTubeなどで公開され、疾患への偏見や不安を捉え直すパーセプションチェンジ(認識変容)を狙った作品だ。製品訴求ではなく、患者のストーリーへの共感を軸に据えたデジタル動画が、疾患啓発と企業ブランディングを両立させる手法として国際的にも評価されている。

  • 保険適用でデジタル治療アプリ(DTx)が本格普及期に

塩野義製薬は、小児ADHDの治療補助を目的として国内で初めて承認されたデジタル治療補助アプリ「エンデバーライド」を発売。サスメドも、不眠障害治療として初めて保険適用されたCBT-Iベースのアプリ「Medcle」の販売を開始した。情報提供や啓発にとどまらず、スマートフォンアプリそのものが保険診療下の「治療」に組み込まれる段階に入り、製薬業界のDXは新たなフェーズを迎えている。今後は、医師への処方支援や患者の継続利用を支えるデジタルコミュニケーション設計が普及のカギを握るだろう。

■MSD株式会社

~男子にも女子にも関係するウイルス「HPV」~俳優 風間俊介さんと岩田敏医師が語る『子どもたちの未来のために』対談記事を公開

2026年5月27日


MSDは、俳優の風間俊介さんと小児科医・感染症専門医の岩田敏先生が、男子にも女子にも関係するヒトパピローマウイルス(HPV)について語る対談記事『子どもたちの未来のために』を、2026年5月27日よりキャンペーンウェブサイト(https://www.hpv-info.jp/doctor-interview/)にて公開した。


MSDでは、2025年10月より風間さんを起用した啓発キャンペーン「HPV、それは僕らの未来に関係すること。」を開始し、学校を舞台に風間さんが先生役となって生徒たちに語りかけるCMを展開している。本対談企画はこの啓発活動の一環であり、家族でHPVについて正しく知り、予防について考えるきっかけとしていただきたいとしている。


https://www.msd.co.jp/news/product-news-20260527/



■サノフィ株式会社

中等症以上のアトピー性皮膚炎症状のあるお子様の保護者を対象とした 2026 年「小児アトピー性皮膚炎の治療実態調査」結果発表

2026年6月29日


サノフィは、乳幼児から中学生までのアトピー性 皮膚炎のお子様を持つ保護者を対象に、疾患に対する認識や治療実態、分子標的治療薬を含む治療選択肢への認知や考えを把握することを目的として、「小児アトピー性皮膚炎の治療実態調査」を実施。


今回の調査では、約 9 割の保護者が、入園・入学や思春期といった子どもの成長の節目を「症状が落ち着いた状態」で迎えたいと回答。一方、薬の変更や追加などの治療強化について医師に相談したことがある保護者は約 3 割にとどまった。また、「相談したいと思っているができていない」と回答した保護者が約 3 割おり、治療の見直しに関心を持ちながらも、実際の相談につながっていない実態が明らかになった。


同社では、アレルギー疾患関連の総合情報サイト「アレルギーi」や、アトピー性皮膚炎のお子様とそのご家族に寄り添う情報サイト「つるもちまっぷ」を運営。今後もアトピー性皮膚炎に関する最新情報の発信と疾患啓発に努めていくとしている。


https://www.sanofi.co.jp/assets/dot-jp/pressreleases/2026/260629.pdf


■参天製薬株式会社

「ちびまる子ちゃん」と考える、子どもの近視 ― 日常の気づきから“まずは眼科へ”を伝える疾患啓発メッセージを全国に展開 ―

2026年5月11日


参天製薬は、2026年5月11日より、子どもの近視の予防や進行抑制に関する啓発メッセージの全国展開を開始。本取り組みでは、さくらももこさん原作の漫画作品・テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」を起用し、テレビCMやWEB広告、院内啓発ポスターなどのさまざまな媒体を通じて、全国的に展開していく。


<概要>

● テレビCM

タイトル

子どもの近視 「子どもの目は一生もの」篇
子どもの近視 「それいつの視力?」篇
子どもの近視 「黒板見えてる?」篇

放映期間

2026年5月11日~7月中旬 (予定)
※「それいつの視力?」篇、「黒板見えてる?」篇は5月中下旬より放映開始予定

放送地域

全国

YouTube URL

「子どもの目は一生もの」篇 https://youtu.be/X9BYGStmt4Q(2026年5月11日公開)

● WEB広告

配信期間

2026年5月~7月、10月~11月(予定)

放送媒体

動画 YouTube、Amazon Prime Video、TVer
静止画バナー Instagram、LINE、Yahoo! JAPAN

● 院内啓発ポスター

配信期間

2026年4月~2027年3月

配布方法

MRを通じて医療機関に順次ご案内予定

https://www.santen.com/ja/news/2026/2026_1/20260511


■武田薬品工業株式会社

俳人・夏井いつき先生が審査員長 新型コロナウイルス感染症をテーマとした俳句コンテストを開催 「暮らしを守る コロナの学び 未来へつなぐ俳句コンテスト」

2026年6月5日


武田薬品工業は、俳人・夏井いつき先生を審査員長に迎え、読売新聞社との共催により、新型コロナウイルス感染症をテーマとした「暮らしを守る コロナの学び 未来へつなぐ俳句コンテスト」の募集を、2026年6月5日(金)より開始。本コンテストは、俳句を通じて、一人でも多くの方に新型コロナ感染症の「今」を知っていただくとともに、これまでの経験を生かし、ご自身やご家族の暮らしを守るためにできることを社会全体で考える機会とすることを目的としている。受賞作は、「結核・呼吸器感染症予防週間」に合わせ、2026年9月下旬頃に読売新聞オンライン特設ページにて発表を予定。


https://www.takeda.com/jp/newsroom/local-newsreleases/2026/haiku-contest-covid19-natsui-ituki/


■田辺ファーマ株式会社

肥満症のある人のストーリーを線画で描いたショートフィルム「Saniss Awards」の「Pharma」部門および「Wellness」部門においてBronzeを受賞

2026年6月10日


日本イーライリリーと田辺ファーマは、両社で制作し先般発表した、現在公開中の、肥満症のある人のストーリーを線画で描いたショートフィルム「肥満症 - 私の未来を描き直そう」(以下、「本ショートフィルム」)について、「Saniss Awards」の「Pharma」部門および「Wellness」部門の両部門で、それぞれBronze賞を受賞したことを発表。


Saniss Awardsは、世界各国のヘルスケアおよびウェルネス領域における、優れたクリエイティブ・コミュニケーションを表彰することを目的に創設されたアワード。多数の応募作品の中から、卓越したクリエイティブに加え、肥満症が疾患であることへの社会的理解を深めた点が高く評価され、Saniss Awardsの審査委員会により、今年度を代表する作品の一つとして認定された。


▼ショートフィルム「肥満症 - 私の未来を描き直そう」


https://www.tanabe-pharma.com/ja/news/rel_260610.html



■日本イーライリリー株式会社

日本イーライリリー、 『PR Awards Asia-Pacific 2026』において ショートフィルム「日々をつなぐ」がゴールドを受賞!

2026年4月13日


日本イーライリリーは、「ヘイマーケットメディアグループ」が主催する『PR Awards Asia-Pacific 2026』において、「Best Use of Advocates/Influencers/Celebrities」カテゴリーにて、ショートフィルム「日々をつなぐ」がゴールドを受賞したことを発表。


本賞は、アジア太平洋地域のコミュニケーション業界で最も優れたキャンペーン、個人、企業を表彰する格式高 いアワードとして知られ、本作品はセレブレティーやインフルエンサーを活用した戦略的なアプローチと、視聴者 の共感を呼ぶクリエイティブな表現力で高い評価を受け、今回の受賞に至った。


同社は、再発告知を受けた患者さんの心理的不安を軽減し、早期の段階で乳がん再発の受容と 将来設計に向けたきっかけとなる取り組みを行っており、 ショートフィルム「日々をつなぐ」は、その取り組みの一環として、「再発=絶望」という認識を「再発=新たな価値 を再発見する機会」へ転換し、患者と社会にパーセプションチェンジをもたらすことを目的とし制作された。

https://mediaroom.lilly.com/jp/previewPDF/2026/26-32_com_jp.pdf

【編集部ピックアップ】

今回、調査対象20社以外で気になったプレスリリースもピックアップしました。


■塩野義製薬株式会社

「ENDEAVORRIDE®(エンデバーライド)」新発売のお知らせ

2026年6月5日


塩野義製薬は、Akili, Inc.(本社:米国ワシントン州、CEO:Dan Elenbaas、以下「Akili社」)から日本および台湾における独占的開発権・販売権を取得しているデジタル治療補助アプリENDEAVORRIDE®(以下「エンデバーライド」)について、販売を開始した。


エンデバーライドは、「小児期における注意欠如多動症(以下「ADHD」)の治療補助」を目的として日本で初めて承認された医療機器プログラム(治療補助アプリ)。心理社会的治療や薬物治療といった既存の選択肢に加え、エンデバーライドの発売によりデジタル治療補助アプリという新たな選択肢が広がることで、小児ADHD領域における多様なニーズへの対応につながることが期待されている。

https://www.shionogi.com/jp/ja/news/2026/06/20260605.html


■サスメド株式会社

「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle」販売開始のお知らせ

2026年6月1日


サスメドは、2026年5月13日付で保険収載が了承された「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle」(以下「本アプリ」)について、2026年6月1日(月)より保険適用となり、同日より販売を開始した。本アプリは不眠障害に対する治療として国内で初めて公的医療保険が適用される管理医療機器。不眠障害を有する患者に対しCBT-Iを治療原理としたコンテンツを提供するために用いるスマートフォンアプリで、9週間にわたってアプリから促される指示に従うことで不眠症状に対する治療効果を実現することを目的としている。


https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS82385/5a75f411/d9fd/414a/bc7f/001c6d71732f/140120260601556725.pdf

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