MDMD2026 Summer開催報告|AI時代の製薬マーケティングを再発見すべく、業界関係者が集結

MDMD2026 Summer開催報告|AI時代の製薬マーケティングを再発見すべく、業界関係者が集結

Medinewは2026年6月4日、医薬品・医療機器業界のデジタルマーケティングをテーマとしたリアルイベント「Medinew Digital Marketing Day 2026 Summer(MDMD2026 Summer)」を、東京・丸の内の会場にて開催しました。
 
2020年より定期開催しているMDMDは、製薬企業・医療機器メーカーの方を対象としたカンファレンスイベントです。第11回目となる今回は、実に322名のお申し込みをいただきました。
 
講演数・出展数ともに過去最大規模となった今回のイベントには、業界を代表するさまざまな有識者が集結。全17件の講演プログラム、16件の展示ブースを通じて、「再発見」をテーマに、AI時代における製薬マーケティングのあり方について活発な議論が交わされました。

「再発見」をテーマに、MRチャネルの本質的価値を議論

オープニングセッションとなった基調講演「MRチャネルの価値を『再発見』―変化する役割と本質を整理し適切な設計へつなげる」には、武田薬品工業株式会社のリグオリユウジ氏(日本オンコロジー事業部 事業部長)、田辺ファーマ株式会社の川野清伸氏(執行役員 マーケティング本部長)、アステラス製薬株式会社の吉田栄一氏(日本コマーシャル カスタマーエクセレンス部 オムニチャネル アクティベーション グループ)が登壇。モデレーターをMedinew運営企業である株式会社医薬情報ネットの笹木雄剛(代表取締役/メディア事業部長)が務めました。

笹木は「AIの進化によってマーケティング環境は大きく変化している。だからこそ、新たな手法ばかりを追い求めるのではなく、一度立ち止まり、マーケティングの本質や価値を見つめ直す機会が必要ではないかと考えた」と、今回のテーマに込めた思いを説明。そして「講演や展示にはさまざまな『再発見』のヒントが詰まっている。ぜひ自社での実践につなげてほしい」と参加者へ呼びかけました。

ディスカッションでは、MRを取り巻く環境変化やデジタル化の進展、それに伴う役割の変化などがテーマとして取り上げられました。各登壇者からは、自社での取り組みや海外との比較なども紹介。

そして「MRは単なる情報提供者ではなく、医師の意思決定を支援し、課題解決に伴走するパートナーへと進化していくことが求められている」という方向性が示され、MRチャネルの価値を改めて見つめ直す機会となりました。

2026.6.4 MDMD2026 Summer 基調講演「MRチャネルの価値を『再発見』-変化する役割と本質を整理し適切な設計へつなげる」の様子
2026.6.4 MDMD2026 Summer 基調講演「MRチャネルの価値を『再発見』-変化する役割と本質を整理し適切な設計へつなげる」の様子

本公演を皮切りに、製薬企業やパートナー企業などの有識者が次々登壇し、最新の製薬マーケティングのトレンドがさまざまな視点からディスカッションされました。

【A会場】

MRチャネルの価値を「再発見」-変化する役割と本質を整理し適切な設計へつなげる/Medinew

生成AI時代におけるデジタルマーケティングの未来~疾患啓発事例とDX動向を踏まえて~/株式会社メディウィル

電子カルテデータが解き明かす「なぜ」と「兆候」:RWDによる製薬マーケティングの次世代戦略/株式会社Yuimedi

顧客CXを最大化するオムニチャネル戦略とデータドリブンな運用とは/株式会社メディクト

【旭化成登壇】製薬マーケの常識を「再発見」する戦略的アウトソース/ゴウリカ株式会社

AIが「答え」を担う時代、企業は医療メディアをどう活用すべきか/株式会社メディカルトリビューン

「データの断絶」をどう解消するか。医師行動ログから導き出すオムニチャネル戦略/株式会社インテージヘルスケア

疾患領域で変わる、医師ターゲティング ―市場性と影響力から読み解く“重要医師”―/ミーカンパニー株式会社

なぜ新薬は“初動設計”で差がつくのか ― データ活用が広げる新たな可能性 ―/株式会社JMDC

 【B会場】

製薬マーケターと探る 効果的なオムニチャネルマーケティング実施のためのヒント/株式会社医薬情報ネット

製薬DXの新次元:非構造化データ活用と業務プロセス革新/木村情報技術株式会社

既存資材をAIで「高速変換」製薬プロモーションの制作・審査DXの最前線/株式会社シャペロン

患者中心医療が生み出す事業成長 ― PSPモデルによるPersistence戦略とその実践/株式会社おいしい健康

臨床課題から紐解く、新たな製薬マーケティング戦略とは~成功事例とAI活用の最前線~/株式会社Medii

競合情報で進化するブランド戦略 ― 業界最高水準のデータで描く、製薬マーケティングの次の一手/エバリュエート・ジャパン株式会社

アストラゼネカが取り組む真のCXに向けた「再発見」 ― データとAIがもたらす医師理解の進化 ―/株式会社医薬情報ネット

MRチャネル戦略に「次の一手」を。グループワークで掴む最適化の実践知/Medinew

「デジタルを超える“人間力”を」――ワークショップで探るMRチャネルの未来

イベントの締めくくりとして、「MRチャネル戦略に『次の一手』を。グループワークで掴む最適化の実践知」と題したワークショップを開催しました。
 
昨年からスタートした本企画は、参加者同士がグループに分かれ、議論を深めながら学びを得るプログラムとして好評を博しており、今回も定員数を大幅に超える応募がありました。
 
コーディネーターを務めた川野氏は冒頭の講演で、「『MRは減るのか、残るのか』という議論ではない。誰のためにどのような価値を創出するのかを考えたい」とコメント。MRの役割を根本からとらえ直すことが本ワークショップの目的であることを強調しました。
 
医師の情報収集時間が短縮し、オンライン講演会、学会などのデジタルチャネルが定着して医師が自ら情報収集することが当たり前となっています。そうした中、次世代MRには、複雑な科学的知見を分かりやすく伝える「サイエンス・トランスレーター」としての機能や、デジタルと対面を組み合わせて顧客体験を最適化する「チャネル・オーケストレーター」といった新たな役割が求められると、川野氏は提示しました。
 
続くグループワークではチームごとに活発な議論が展開され、各テーブルに配布されたテーマ別のワークシートは、書き込みや付箋で埋め尽くされ、参加者の関心の高さがうかがえました。
 
発表では、診療科や医師の特性によって最適なアプローチが異なることが改めて確認され、パーソナライズされたコミュニケーション設計の重要性が浮き彫りとなりました。
 
そして、MRチャネルの評価については、「単なる営業コストではなく、長期的な関係構築や顧客理解を生み出す戦略的資産として捉えるべき」との意見が挙がりました。
 
また、AIによる分析やターゲティングへの期待が高まる一方、最終的な意思決定には人間同士の信頼関係や対話が影響力を持つという認識も共有されました。テクノロジーが進化する時代においても、デジタルにはない”人間力”という価値について、その重要性が改めて確認されるセッションとなりました。

2026.6.4 MDMD2026 Summer ワークショップ「MRチャネル戦略に『次の一手』を。グループワークで掴む最適化の実践知」グループワークの様子
2026.6.4 MDMD2026 Summer ワークショップ「MRチャネル戦略に『次の一手』を。グループワークで掴む最適化の実践知」グループワークの様子

16社が出展し、多彩なソリューションを紹介

展示エリアには16社が出展し、終日多くの来場者で賑わいました。
 
各ブースでは、RWDデータ活用、AIによるコンテンツ制作、患者支援サービスなど、製薬マーケティングを取り巻く最新ソリューションを紹介。サービスのデモンストレーションや個別相談、導入事例の紹介などが行われ、多くの参加者が足を止めていました。
 
特に今回は、医師・患者理解の深化やCX(顧客体験)の向上をテーマとした展示が目立ちました。AIやデータ活用を目的化するのではなく、顧客価値の向上につなげる視点が、多くの出展企業に共通して見られた点が印象的でした。

2026.6.4 MDMD2026 Summer 展示ブース前の様子
2026.6.4 MDMD2026 Summer 展示ブース前の様子

講演終了後に開催された懇親会では、参加者同士はもちろん、登壇者も交えた活発な交流が行われました。
 
参加者からは、「情報がアップデートされるだけでなく、思いがけないヒントが得られるのがMDMDの魅力」「講演だけでなく、業界関係者との交流から得られる学びも大きい」といった声が聞かれ、リアルイベントならではの価値を実感する場となりました。

参加者満足度も高評価。次回開催にも期待

イベント終了後に実施したアンケート(n=37、2026年6月8日時点)では、回答者の7割以上がイベント全体および各講演について「非常に満足」「満足」と回答しました。
 
また、7割が「次回も参加したい」と回答するなど、高い評価をいただく結果となりました。

満足度に関する調査結果

AIをはじめとするテクノロジーの進化によって、製薬マーケティングを取り巻く環境は大きく変化しています。しかし、その変化の先で改めて問われているのは、「人だからこそ提供できる価値」です。

 

MDMD2026 Summerは、マーケティングやMR活動の本質を見つめ直し、これからの製薬マーケティングを考えるための多くの示唆が得られる一日となりました。

 

なお、Medinewでは、各講演の内容をまとめたレポートを順次公開します。今回参加が叶わなかった方や、振り返りをしたい方は、ぜひご確認ください。

 

次回のMDMDは、2026年秋のオンライン開催を予定しています。最新情報は、メルマガやXで順次お知らせいたします。

Medinewの最新記事情報やセミナー情報をいち早くキャッチいただくためにも、メルマガ登録やXのフォローをおすすめいたします。

メールマガジン「Medinew Express」に登録する

X「@Medinew_News」でMedinewをフォローする

【MDMD2026 Summer 開催概要】

名称:Medinew Digital Marketing Day 2026 Summer(MDMD2026 Summer)
主催:Medinew
開催日時:2026年6月4日(水)12:00~20:00(講演:12:15~19:00、懇親会:19:00~20:00)
会場:JPタワー ホール&カンファレンス
(東京都千代田区丸の内二丁目7番2号 KITTE 4階)
対象:製薬企業・医療機器メーカー勤務の方(マーケティング部門、デジタル部門、営業企画部門、メディカル部門 など)
協賛:
木村情報技術株式会社、株式会社メディウィル、株式会社Yumedi、株式会社メディクト、ゴウリカ株式会社、株式会社メディカルトリビューン、株式会社インテージヘルスケア、ミーカンパニー株式会社、株式会社JMDC、株式会社シャペロン、株式会社おいしい健康、株式会社Medii、Evalute Japan株式会社、harmo株式会社、DeSCヘルスケア株式会社、富士通株式会社、株式会社ネクスウェイ
事前申込数:322名
当日来場数:215名
 
Medinewでは今後も、イベントやメディアを通じ、製薬業界のデジタルマーケティングにおける最新動向や先進事例を発信してまいります。これからの展開にもぜひご期待ください。