7/6はワクチンの日 - 製薬企業のワクチン関連の啓発サイトを調査【2026年6月版】

1885年のこの日、パスツールの狂犬病ワクチンが少年の命を救いました。天然痘の根絶をはじめ、ワクチンは今も多くの疾患予防に欠かせません。一方で、近年はSNSで誰もが発信できる分、確かな情報を見極めにくくなっています。接種の判断に悩む方も少なくない中で、正確な情報を届ける役割はますます重要になっています。本記事では、製薬企業が運営するワクチン関連の啓発サイトについて、2026年の最新情報を調査しました。
ワクチン関連の疾患啓発サイトを運営している製薬企業一覧
日本国内で受けられるワクチンは、定期接種で21種、任意接種で13種1)。ほとんどは乳児・小児期が対象ですが、大人向けのワクチンも存在します。種類が多いため、スケジュール管理が煩雑になりがちなうえ、対象のワクチンに気づかないまま接種を逃してしまうケースも起こりやすい分野です。
また、任意接種では接種要否の判断に迷い、情報収集する方も少なくありません。そうした方にとって、正確で中立な情報を発信することは、ワクチンサイトの大切な役割といえるでしょう。
本記事では、製薬企業20社※のうちワクチンを製造販売する企業を対象に、ワクチン関連の疾患啓発サイトを調査しました。調査の結果、ワクチン関連の疾患啓発サイトを運営していたのは8社、合計19サイトでした。
※調査対象は、2024年4月~2025年3月の販売会社ベース企業売上ランキング(出典:IQVIA)より抜粋した20社

特定の感染症に特化したサイトから総合的なワクチン情報サイトまで、扱う情報の範囲はさまざまです。一方で、多くのサイトに共通していたのは、トップページで接種対象時期を示すなど、接種スケジュールを手軽に把握できる工夫が随所に見られた点です。
本記事では、特徴的なコンテンツを有していた3サイトをピックアップし、詳しく紹介します。他のサイトを含めた調査結果については、ダウンロード資料をご用意しております。ページ下部よりダウンロードしてください。
MSD 肺炎予防.jp
肺炎予防をテーマにした疾患啓発サイトです。トップページではグラフを活用して肺炎リスクを視覚的に訴求しています。さらに主要コンテンツの概要もまとめて確認できる構成になっており、トップページを読むだけで基本情報をひととおり把握できる設計が特徴です。
読みやすさへの配慮も丁寧で、重要なポイントにはマーカーを使ったハイライト表示を採用。各ページには関連ページへのリンクや「次のおすすめコンテンツ」への誘導が設けられており、ユーザーが自然にサイト内を回遊できる動線が整備されています。
肺炎予防.jp
サイトディスクリプション
MSDが提供する疾患啓発サイトです。「肺炎予防.jp」では高齢者の方に向け、肺炎とその予防方法についてご紹介します。
キーワード
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コンテンツ
- なぜ肺炎予防
グラフやイラストを用いて、肺炎予防の必要性を訴求
- 肺炎球菌が原因の肺炎
肺炎球菌感染症について、イラストを用いて簡潔に解説
- 基礎疾患(持病)と肺炎
基礎疾患がある方やウイルス感染時の肺炎のリスクについて簡単に紹介
- 肺炎の症状
肺炎と風邪との違いを中心に、肺炎の症状や肺の状態について解説。65歳以上のリスクについても訴求
- 肺炎の治療法
肺炎治療の流れについて紹介。予防の重要性も訴求
- 肺炎の予防方法
予防方法について、イラストを用いて簡潔に紹介
- 肺炎球菌ワクチンについて
対象者や注意事項、定期接種制度について解説
- 成人用肺炎球菌ワクチンの定期接種について
定期接種の対象について紹介
- 定期接種の対象期間が終了した方へ
任意接種について簡潔に紹介
- ご家族の方はこちら
年齢や持病などの状況別に肺炎のリスクについてグラフや数値を用いて解説
- 肺炎予防Q&A
予防・肺炎球菌・ワクチンに分け、質問と回答を掲載
- 予防豆ちしき
うがい・手洗い・マスク・口腔ケアによる予防法を紹介
- リンク集
日本呼吸器学会へのリンクボタンを配置
田辺ファーマ ワクチン.net
乳幼児から大人まで、幅広い感染症とワクチン情報を網羅した啓発サイトです。接種に関する情報をまとめて確認したい方に向けて、ワクチン全体を体系的に把握できるよう設計されています。
なかでも注目のコンテンツが「みんなのワクチンロードマップ」。人生ゲームのようなマップ形式で年齢をクリックすると、その時期に推奨されるワクチン情報を一覧で確認でき、直感的にわかりやすい仕掛けになっています。「マイスケジュールをつくろう」では、性別・生年月日を入力するだけで個別の接種スケジュールをPDFで自動作成でき、チェックボックスも備え接種漏れの防止にも役立ちます。
各ワクチンの解説ページでは、定期・任意の区別や不活化・生ワクチンの種別、接種部位などをアイコンで表示。接種推奨時期はイラスト付きでページ上部に示されており、詳細を読み込まなくても要点をひと目で把握できます。
ワクチン.net
サイトディスクリプション
ワクチン.netは、田辺ファーマがお届けする、子どもを感染症から守るための「ワクチン」の普及・啓発サイトです。子どもがかかる感染症やその特徴、ワクチンの種類、予防接種のスケジュールなどをわかりやすく解説しています。
キーワード
ワクチン,予防接種,感染症,4種混合,MR,麻しん,風しん,水痘,みずぼうそう,日本脳炎,スケジュール,インフルエンザ,VPD,子ども,母子手帳,ワクチン Infomation,接種啓発,ポスター,自治体,保育園,幼稚園,小学校,集団生活,定期接種,任意接種
コンテンツ
- みんなのワクチンロードマップ
年齢ごとに対象となるワクチンをポップアップで表示。解説ページへのリンクもあり
- 予防接種とワクチンのおはなし
ワクチンの種類や定期・任意の違い、リスクなどを解説
- 主なワクチンの種類
子ども対象の主なワクチンについて、予防できる感染症や推奨接種時期を紹介。豆ちしきも掲載
- 感染症を知ろう
感染経路、各種感染症の特徴について紹介。感染から発症、治癒までの目安を図で掲載
- ワクチン接種のスケジュールと流れ
性別や生年月日を入力すると自分だけのワクチン接種スケジュールを作成できる「マイスケジュール」を配信。同時接種や接種前の注意事項の解説もあり
- ママ・パパのためのワクチンQ&A
よくある質問とその回答を掲載
- 大人の感染症予防
各感染症の症状や経過、特徴、ワクチンについて解説
- ワクチンTopics一覧
サイト更新情報を掲載
ファイザー ワクチンを学ぶ
ライフコースイミュニゼーション(生涯を通じたワクチン接種)を軸に据えた、ワクチン啓発サイトです。トップページでは年齢別の接種ロードマップを表示。クリックするだけで対象ワクチンへの詳細情報にアクセスできるため、接種時期を素早く把握できる構成になっています。
子育て中の方や高齢の家族がいる方、基礎疾患をお持ちの方など、状況別によくある質問やおすすめ記事をまとめたページも用意。それぞれの状況に合わせた情報に、たどり着きやすい設計です。
学習コンテンツも充実。初級・中級・上級に分かれたクイズでは正解とあわせて解説も表示されるため、楽しみながら知識を深められます。PodcastとYouTube動画は同一内容で展開されており、好みのメディアで同じ情報を受け取れる効率的なコンテンツ設計です。
「ワクチンで予防できる疾患」ページでは、子ども・大人や定期・任意の区別で絞り込んで疾患を検索でき、目的の情報にたどり着きやすい設計になっています。各疾患の解説ページは構成を統一しており、読みやすさとコンテンツ制作の効率化を両立しています。
さらに、サイト内では「新型コロナ」「おとなの肺炎球菌感染症」「こどもの肺炎球菌感染症」「RSウイルス」「ダニ媒介性脳炎」の解説サイトを別途運営しています。
ワクチンを学ぶ
https://www.pfizervaccines.jp/
サイトディスクリプション
「ワクチンを学ぶ」は、ファイザー株式会社が運営するワクチン関連情報を紹介、発信するサイトです。-ファイザー株式会社
キーワード
ワクチン, 免疫について, ワクチンで防げる病気, ワクチンを学ぶ, ファイザー
コンテンツ
- ワクチン・免疫を知る
ワクチンの種類や働き、免疫のしくみ、VPD(ワクチンで予防できる疾患)について解説
- ワクチン・免疫を学ぶ
クイズやPodcast、Q&A、動画コンテンツを配信
- ワクチンで予防できる疾患
「新型コロナ」「おとなの肺炎球菌感染症」「こどもの肺炎球菌感染症」「RSウイルス」「ダニ媒介性脳炎」の解説サイトを用意
- 気になる疾患を調べる
感染経路・症状・診療科・ワクチンなど各感染症について紹介。子ども・大人、定期・任意の項目で絞って検索可能
「次の行動」を引き出す情報設計で、ユーザーを動かす導線づくり
国内で受けられるワクチンは30種類以上と製品数が多く、接種時期もワクチンごとに異なることから、「いつ誰に必要なワクチンなのか」気付きにくい領域です。今回調査したサイトの多くで、スケジュール管理をサポートするツールや、接種時期をすぐに把握できるデザインの工夫がされていたのは、その課題を解決するためでしょう。まず「誰の・いつの話か」をひと目で示し、来訪者に「自分ごと」として受け取ってもらう導線づくりが出発点になります。
一方で、ページ構成のテンプレート化や同じ素材を複数の媒体で展開する工夫は、情報量を増やしながら制作・運用効率を保つ打ち手です。見せ方しだいで読み手の理解度も行動も変わります。今回取り上げた3サイトの工夫は、自社の疾患啓発サイトを見直す際の参考になるのではないでしょうか。
<出典>※URL最終閲覧日2026.6.15
1)JIHS, 日本で接種可能なワクチンの種類
https://id-info.jihs.go.jp/immunization/basics/vaccine-list-in-japan/index.html






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