コロナ禍が医学系学会開催に与えた影響は?-学会DB登録データより-

コロナ禍が医学系学会開催に与えた影響は?-学会DB登録データより-

コロナ禍により、2020年の医学系学会は中止・延期が相次ぎました。開催数や開催時期について、実際にどのような影響があったのか、また2021年の開催予定はどうなりそうかについて、株式会社医薬情報ネットの「学会情報データベース(学会DB)」の登録データを用いて集計し考察を試みました。

株式会社医薬情報ネットでは、過去20年以上にわたって1,000件以上の医学系学会開催情報を提供する「学会手帳」を制作してきました。現在「学会手帳」は「学会DB」へと進化し、より多くの機能を有する新たなサービスとして展開しています。「学会DB」へのシステム移行は2019年に行われましたが、開発コンセプトは「学会手帳」とは全く異なっていたことから、2018年以降の開催データを使用する仕様となりました。

今回、「学会DB」に登録された学会開催データを用いて、2018年から2020年の医学系学会開催状況と2021年の開催予定を集計し、過去の年間開催数や開催推移、今後の開催状況など、コロナ禍による影響について若干の考察を加えました。

2021年 2020年 2019年 2018年
1月 59 54 56 57
2月 94 109 104 101
3月 94 72 118 107
4月 40 16 45 41
5月 87 52 96 84
6月 132 96 183 178
7月 94 103 146 137
8月 43 85 76 60
9月 129 195 160 162
10月 122 172 153 149
11月 128 208 199 184
12月 59 116 78 88
開催数合計 1081 1278 1414 1348
上期開催 46.8% 31.2% 42.6% 42.1%
下期開催 53.2% 68.8% 57.4% 57.9%
中止・延期
または会期未定
423 189
表.学会DBに登録された月別学会開催数
*2021年は開催予定のうち会期が明らかな学会
†2020年は中止・延期、2021年は会期未定の学会

図.各年の月別学会開催数(上表をグラフ化したもの)

コロナ禍以前(2018および2019年)の学会等開催状況

  • 2018年、2019年の取得学会数はおよそ1,400件でした。
  • 年間の開催推移には次の傾向がありました。
    − 上期(1-6月)開催は4割、下期(7-12月)が6割で、年の後半に多く開催されていました。
    − 開催ピークは6-7月と9-11月の二峰性を示し、特に9-11月に多く開催されていました。

こうした傾向は、医学系学会の開催状況を大まかに把握されている方であれば、すでに体験的にご理解されていることと一致しているのではないでしょうか。

2020年の学会等開催状況

  • 2020年全体でみると、開催予定学会は1,400件超ありましたが、実際に開催されたのはその9割程度(約1,300件)でした。開催されなかった学会は中止または2021年に延期されました。
  • 年間の開催推移では次の傾向が見られました。
    − コロナ禍の影響により上期の開催は例年より減少、特に4月は激減し、6-7月のピークも消失しました。
    − しかし、Web開催などの導入もあり、8月以降は上期の延期分も開催され2018-19年の開催数を上回りました。
  • 学会等の開催形態は、調査で明らかになっている範囲では、リアル開催(ハイブリッド開催を含む) 58%、Web開催 31%、不明・未確認 10%でした。

2021年の学会等開催予定状況

  • 2020年からの延期分を含め約1,500件の開催予定を取得していますが、現時点では(2021年3月22日現在)、そのうちの3割(約400件)が会期未定です。
  • 会期が明らかになっている学会の開催は、上期・下期がほぼ半々となっています。
  • 現在のところ、開催ピークの6-7月および9-11月の開催数は、2018-19年より少なくなっています。今後、多くの会期未定学会が、COVID-19ワクチンの普及や感染拡大状況などを考慮しながら、下期以降の開催に動くのではないかと予想されます。
  • 現在までに明らかになっている開催形態は、リアル開催(ハイブリッド開催を含む) 64%、Web開催 19%、不明・未確認 16%です。リアルとWebをミックスしたハイブリッド開催も増えてきたようですので、2020年よりもリアル開催の割合は多いまま推移するのかもしれません。

COVID-19の再拡大、変異株の感染力や毒性の増強などにより、2021年も開催中止・延期を余儀なくされる学会等は出てくることと思われます。しかし、ワクチンを含むCOVID-19感染・予防対策の強化や新たな手法、Web/ハイブリッド開催のさらなる普及などによって、開催予定の9割以上の学会等は実施されると期待できるのではないかと思われます。


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「医薬品マーケティングにおける学会情報データベースの活用ガイドブック」
- 目次 -
 1.データは石油ではない?!
 2.学会情報データベースについて
  ①オウンドメディアコンテンツでの活用
  ②MRディテーリング効率化での活用
  ③Dr. ターゲティングでの活用
  ④学会情報データベースと処方意向
 3.終わりに


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