Sponsored by 株式会社アリスマジック

MDMD2021レポート/マーケティングチャンスを逃さないオウンドサイトの構築とは?

MDMD2021レポート/マーケティングチャンスを逃さないオウンドサイトの構築とは?

「Medinew Digital Marketing Day(MDMD) 2021」のセッション「マーケティングチャンスを逃さないオウンドサイトの構築とは?」では、最新のプロモーションチャネルとしてオウンドサイトに求められる要件について、株式会社アリスマジックの香西睦氏が解説。講演内容から、サイト設計に際し顧客目線に立った「課題の見える化」により、サイト構築をロジカルなUI/UX設計へと改善するポイントをまとめます。

オウンドサイトに求められる2つの要件

モデレーターの株式会社プレシャス・コミュニケーション・ジャパンの原暢久氏より、今やオウンドサイトはマーケティングにおけるプロモーションチャネルとして重要な役割を担っている点について解説がなされました。

オウンドサイトがプロモーションチャネルとしての役割を果たすためには、「顧客とのコミュニケーションにおけるオムニチャネルの中での役割」と「チャネル自体のコミュニケーション能」のふたつの要件が必要となります。 特に後者に関しては、従来担当者の感覚で設計されがちなオウンドサイトの構成についての改善が必要となります。顧客に受け入れてもらうために、顧客動線とマーケッター導線のマッチングを顧客視点から、論理的にオウンドサイトを設計構築することが今や必須と原氏は話しました。

Channelのコミュニケーション能としての要素と機能

マーケティングチャンスを逃さないオウンドサイトの構築

原氏の講演を受け、香西氏は「マーケティングチャンスを逃さないオウンドサイトの構築」について解説しました。30年以上デザイン業に携わり、これまで製薬会社をはじめ食品・IT・生活など多種多様・多岐にわたる業界のサイト構築やリニューアルを担当してきた香西氏。ユーザーの心理や行動に根ざした最適な情報デザインによる柔軟な設計を得意としています。

COVID-19の流行で顕在化した製薬業界の課題

COVID-19の流行によって経済状況は一変しましたが、そんな中において製薬企業の課題が顕在化してきたと香西氏は話します。

これまで医師は、「効率的・安心・確実」だという理由から、治療方針などで疑問や質問がある際は信頼できるMRに相談したいと考えていました。一方でMRは、相談してきた医師に一人ひとりに対し、相手の医師のクセ・知識・欲求に配慮した、わかりやすい最適解な情報にカスタマイズして回答する情報交換は、医師にとっては、最適な顧客体験だったと言えるでしょう。

しかし、COVID-19の流行に伴い急速にデジタル化の役割としてもWebサイトが注目されているが、情報が欲しい医師は、Webサイトの膨大な情報の中から必要な情報を自ら検索し、取捨選択する必要があります。このWEBサイトにおける潜在的な課題は医師にとってストレスが多く、非効率な顧客体験となってしまいました。

一方で、同じWEBサイトでも利用目的が変わればターゲットや表現も変わります。一般の方向けのサイトは、多くの人の要求に応えるために幅が重要で、多くの人に均一に知ってもらうことが役割なのに対し、医療関係者向けサイトは特定の医師のピンポイントな疑問や要求に対して、専門性の高い的確な解決策を提示することが求められるという、まったく異なる役割だということがカギと言えるでしょう。

利用目的に合わせたサイトの表現方法の違い

医療関係者向けWEBサイトの課題

通常とは異なる役割や表現方法が必要な医療関係者向けサイトの課題として、以下の2点が挙げられます。

  • 小さな顧客体験を積み上げて、顧客ひとりひとりの満足に適合化する必要がある
  • 医薬品業界のユーザビリティ性能は決して高くない

1つ目の課題は「小さな顧客体験を積み上げて、顧客ひとりひとりの満足に適合化する必要がある」点です。ロングテールな視点で見ると、医師や薬剤師がサイトを利用する機会があったとしても、継続的な利用機会を生み出すかどうかは別問題です。

製品基本情報は、ユーザー数は多いが利用頻度は限られ、疫学や症状の情報は、何度も見るような内容ではありません。一方、診断・治療法・副作用・臨床情報などは、専門医と継続的にコミュニケーション可能な情報ではあるものの利用機会は少ないでしょう。情報によって体験価値が変わることを踏まえ、情報の顧客適合度を考えた分かりやすさや使いやすさを作ることが必要と言えるかもしれません。

2つ目の課題は「医薬品業界のユーザビリティ性能は決して高くない」点です。医薬品業界は特殊な業界ではありますが、医師や薬剤師・看護師などの医療従事者の方々は一般のサイトを利用しないわけではありません。だからこそ、使いやすさにおいて一般のサイトとのギャップを感じてしまう可能性が大いにあるのです。そのため、よりシビアにユーザビリティ性能を高めていく必要があると香西氏は話しました。

マーケティングチャンスを逃さないためにオウンドサイトが実現すべきこと

医薬品業界においても、「誰が何を知りたいのか」をもとにしながらユーザーの目線に立ち、ユーザーにとって「わかりやすさ」や「使いやすさ」を実現することがWEBサイトに求められています。

「WEBサイトは情報を伝えることが目的ではあるが、伝える=伝わるではない」と香西氏は解説します。企業側がいくら満足するサイトを作ろうとも、実際に利用するユーザに伝わらなければそれは伝えてないのと一緒なのです。

オウンドサイトを設計するにあたって、しばしば「ユーザビリティ」という言葉が使われますが、これは単にサイトが「使いやすい、使いにくい」ではなく、「Aさんにとって使いやすい、Bさんにとって使いにくい」というように、人を基準にすることが本来のユーザビリティと言えます。
また、結果として、使いやすい・わかりやすいなどの体験を実現するためには、下記に挙げるような「高いユーザビリティ性能」を実現する機能によって、快適に使える環境を得ることができます。

<ヤコブ・ニールセン博士が示すユーザビリティ5つの定義>

  • 初めてでも使い始められる
  • 簡単に覚えられる/使える
  • 素早く使える
  • エラーを起こしにくい、エラーから容易に回復できる
  • 楽しく快適に使える

だからこそ「誰が何を知りたいのか」を考えながら、ユーザーがサイトを利用する目的とゴールを考えながら設計していくことが重要だと言えます。

ユーザーがサイトを利用する目的とゴール設計

一方でデザイン面においても、誰もが見ただけで簡単に操作方法がわかる「アフォーダンス理論」に則ったデザイン表現を用いる必要があります。ボタンの装飾やリンクの色などにおいて「アフォーダンス性能」が足りなくなっていると、ユーザーにとってはストレスが溜まる原因になりかねません。

「課題を見える化」したオウンドサイト運用

アリスマジックが提供する「ユーザー視点に立ったサイト分析ツール」は、ユーザーの立場でサイトを見たときの課題を浮き彫りにし、評価されるサイトを作るためにはどうしたら良いのか、サイトが抱えている課題を誰でもわかりやすく見える化できるツールです。優れたUI/UXを実現するための「UXハニカム構造」の6つの要素がそれぞれどのように関係するかを考え、その中でも中心的な位置にある「使いやすい、探しやすい、便利・役に立つ、信頼できる」という4つの要素を用いることで、ユーザー視点でサイトがどれだけ優れているかを見定められる機能となっています。

4つの要素を評価するための指標をそれぞれ25項目ごとに用意し、合計で100項目における多角的な分析によって課題を抽出。その結果をレーダーチャートとして示すことで、サイトに詳しくない方でも「何が問題なのか」「どこに課題があるのか」が一目でわかるレポートとして提出されます。

サイト分析の結果例

サイトの課題を見える化することで、サイト全体でリニューアルするべきなのか、あるいは部分的な改善で済ませるのかを判断できるようになります。そのため納期やコストに合わせたより最適なサイト運用ができるようになるのです。また誰もがひと目でわかりやすく課題を理解できる仕様となっているため、社内での共有や稟議書提出などがしやすいなどの特徴があると香西氏は話します。

オウンドサイト運用における究極の顧客体験

オウンドサイトを構築・運用する上で大切なのは「誰が何を知りたいのか」をユーザーの目線で考えることです。「WEBサイトの基本性能となるUI/UXは、サイトとユーザーそれぞれが抱える欲求をリアルタイムに解消することができる情報デザインシステムです。見たい時、知りたい時、知りたいこと、調べたいこと、そんなニーズをタイムリーに満たす。それこそが究極の顧客満足なのではないか」と香西氏は締めくくりました。

本講演で紹介しました、株式会社アリスマジックのサービスについて、ご質問やご相談がございましたら、お気軽に以下フォームよりお問い合わせください。なお、サービス資料をご希望の場合には、その旨フォームにご記入ください。