製薬業界マーケティング/DX最新動向まとめ 2023年5・6月版

製薬業界マーケティング/DX最新動向まとめ 2023年5・6月版

昨今、医療・製薬業界でも、業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)やデジタルマーケティングに注力する動きが多くなってきました。本記事では、2カ月に1回、各製薬企業のプレスリリースより、最新製薬マーケティングやDXの取り組みをピックアップ。マーケティング、プロモーション、DXについて、業界全体の最新トレンドや、他社がどのような動きをしているのかを把握できます。今回は、2023年5・6月を対象に最新動向をまとめました。

※調査対象の企業は2022年5月にミクスonlineに掲載された21年度販売会社ベース企業売上ランキング(出典:IQVIA)より抜粋した19社。50音順にリストアップ

【2023年5・6月サマリー】

  • 2023年5月、6月はデジタルマーケティングやDX関連のプレスリリースが少なめ。新型コロナウイルス感染症の5類移行により、マーケティング活動におけるオフラインの割合が増加している可能性も考えられる。


  • ペイシェントセントリシティの取り組みにインターネット調査を活用。アストラゼネカは、卵巣がん患者のペイシェントジャーニーにおけるアンメットニーズの把握を目的に、卵巣がんに関するWEBアンケート調査を実施。またファイザーでは、新型コロナウイルス感染症が5類に移行することを受け、「新型コロナウイルス感染症に関する意識調査」を実施した。ペイシェントセントリシティの考えが広まる中、インターネット調査による患者ニーズの把握は今後より重要になると考えられる。


  • 製薬企業の業務にも生成AI活用の動き。小野薬品工業は、国内外のグループ会社を含む全社員を対象として生成AI(人工知能)が利用できる環境を導入し、その本格的な利活用を開始したと発表。生成AIはセキュリティの問題などから業務への利用が禁止されている企業もあるが、テクノロジーによる業務効率化やデジタルリテラシー向上のため、今後は高度な情報セキュリティを確保した上での利用が進んでいくとみられる。


【各社プレスリリース抜粋】

■アストラゼネカ株式会社

アストラゼネカの卵巣がん患者意識調査、卵巣がんのペイシェントジャーニーにおけるアンメットニーズを明らかに

2023年5月24日

アストラゼネカは、過去10年以内に卵巣がんと診断された20代以上の卵巣がん患者さん119名(以下、本調査)を対象に、卵巣がん患者さんのペイシェントジャーニーにおけるアンメットニーズの把握を目的に、卵巣がんに関するWEBアンケート調査を実施。
本調査の結果から、疾患認知の低さや婦人科受診への抵抗感が診断の遅れの一因となっている可能性や、再発が患者さんに与える精神的な負担の大きさ、がん治療による見た目の変化は患者さんの日常生活に与える影響が大きいことなどが示唆された。
アストラゼネカは、ペイシェントジャーニー全体におけるアンメットニーズの解決に対して取り組んでおり、疾患啓発においてはWebサイト「卵巣がん.jp」および「わかる卵巣がん」LINEアカウントを通じて患者さんやそのご家族および一般向けに情報発信を行っている。

https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2023/2023052401.html

■小野薬品工業株式会社

小野薬品グループで生成AIの利活用を開始

2023年6月6日

小野薬品工業は、国内外のグループ会社を含む全社員を対象として生成AI(人工知能)が利用できる環境を導入し、その本格的な利活用を開始。
OpenAI社のChatGPTと同様の対話型AIを用意し、資料の作成や要約、アイデアの壁打ち、問い合わせ対応など、さまざまな用途で広く活用していく予定。また、研究・開発・営業などの部門での業務において、社内データや既存システムとの連携により、高度な活用の検討も並行して進めている。
早期に全社的に生成AIを活用していくことで、例えば対話型AIへの入力(プロンプト)の利用習熟や高度活用を図り、全社員のデジタルリテラシーや活用能力を向上させることを目指す。

https://www.ono-pharma.com/ja/news/20230606.html

■沢井製薬株式会社

地域医療連携ネットワーク「あじさいネット」におけるPHR管理アプリ「SaluDi」の採用のお知らせ

2023年5月25日

沢井製薬は、ICTを使った医療ネットワークとしては全国最大規模である長崎県の地域医療連携ネットワーク「あじさいネット」のオフィシャルパーソナル・ヘルス・レコード(PHR)アプリとして「SaluDi」が採用されたことを報告。
あじさいネットとは、医療機関同士や薬局などを繋ぎ、医療情報を共有するシステムのことで、地域に発生する診療情報を患者さんの同意のもと複数の医療機関で共有することによって各施設における検査、診断、治療内容、説明内容を正確に理解し、診療に反映させることで安全で高品質な医療を提供し地域医療の質の向上を目指すもの。
今後、あじさいネットでは、現在共有されている医療情報に加え、「SaluDi」を利用して登録された患者さんの日々のバイタル・ライフログデータ(体重、血圧、歩数、活動量など)にも患者さんの同意のもとアクセスできるようになる。
※あじさいネット:http://www.ajisai-net.org/ajisai/index.htm

https://www.sawai.co.jp/release/detail/599

■ファイザー株式会社

≪新型コロナウイルス感染症に関する意識調査≫感染症法上の位置づけ5類移行で変わる市民の意識

2023年6月2日

ファイザーは、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが本年5月8日に5類に移行することを受け、全国20歳以上の一般の方1,200名を対象とした「新型コロナウイルス感染症に関する意識調査」を実施(調査期間:2023年4月21日~4月24日、インターネット調査)。
その結果、以下のことが分かったと報告した。

  • 約7割が“流行当初より怖い病気ではない”、4人に1人が“風邪と同じ”と認識
  • 一方で、新型コロナウイルス感染症の後遺症や重症化は8割強が“依然不安“
  • 今後感染した場合の受診意向は高いが、若年層で“受診したくない”も1~2割
  • 新型コロナウイルス感染症に感染した場合、経口抗ウイルス薬を「使って欲しい(使って欲しい/どちらかと言えば使ってほしい)」と考えている方は約7割


https://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2023/2023-06-02