11/14は世界糖尿病デー - 製薬企業の糖尿病の疾患啓発サイトを調査【2026年11月版】

11/14は世界糖尿病デー - 製薬企業の糖尿病の疾患啓発サイトを調査【2026年11月版】

2026年の世界糖尿病デーのテーマは「Early action on diabetes(糖尿病への早期対応)」1)。国内では、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会は11月9日から15日までを2026年度の「ダイアベティスウィーク」とし、「小さな一歩が未来を変える―肥満対策とダイアベティス予防―」をテーマに啓発活動を行います2)。本記事では、前回の調査から3年が経ち、製薬企業の糖尿病疾患啓発サイトがどのように変化しているのか再調査しました。

【前回調査(2023年版)はこちら】11/14は世界糖尿病デー - 製薬企業の糖尿病の疾患啓発サイトを調査

糖尿病関連の啓発サイトを運営している製薬企業一覧

厚生労働省の令和6年「国民健康・栄養調査」では、糖尿病が強く疑われる人は約1,100万人、糖尿病の可能性を否定できない人は約700万人と推計されています3)。糖尿病は自覚症状が乏しいまま進行する場合もあり、早期の気づきや検査、治療の継続に加えて、食事・運動など日常生活に関する情報を分かりやすく届けることが重要です。

今回の調査対象20社※のうち、糖尿病関連の疾患啓発サイトを運営していたのは8社・10サイトでした(うち1サイトは2社の共同運営。合併症の啓発サイトを含む)。なお、調査対象企業は前回調査から一部入れ替わっています。

※調査対象は、2025年4月~2026年3月の販売会社ベース企業売上ランキング(出典:IQVIA)より抜粋した20社

糖尿病関連啓発サイト調査一覧2026

2023年の調査時点では、「糖尿病」と表記するケースが中心でしたが、現在は「ダイアベティス」という呼称を使用したり、啓発メッセージを取り入れたりするサイトが目立ちました。例えば「かえよう糖尿病」では「糖尿病から『ダイアベティス』へ」として呼称の意味を紹介し、日本ベーリンガーインゲルハイムのサイトでも「ダイアベティス(糖尿病)」と併記しています。従来の病名を完全に置き換えるのではなく、馴染みがあり一般の人にも分かりやすい「糖尿病」を残しつつ、新しい呼称を浸透させていく「移行期」の表現といえそうです。


各サイトでは、利用者の治療段階に合わせて情報を案内する構成や、診察前に相談内容を整理できるシート、患者目線の疑問に答えるQ&Aなど、情報を読むだけで終わらせず、受診・相談・継続的な自己管理につなげる工夫が見られます。


ここでは特徴的であった2サイトを取り上げて紹介します。その他のサイトも含めた調査結果の詳細は、ページ下部からダウンロードいただけます。

サノフィ DMTOWN

糖尿病の基礎知識から治療、不安の解消まで段階的に情報を提供しています。患者が治療を理解し、納得して取り組めるようなコンテンツが充実している点が特徴的です。「患者さんの声」のコンテンツでは、患者がインスリン治療を始める前に抱きやすい不安や誤解について語る動画を掲載し、実際に注射する様子も紹介しています。


また「インスリン療法へ不安をお持ちの方へ」では、「一度始めるとやめられない?」という患者目線の疑問を入口に、血糖コントロールが改善すればインスリンを減らしたり飲み薬に切り替えたりできる可能性や早期にインスリン治療を始めるメリットを解説しています。


経口血糖降下薬についても、薬の働きだけでなく「どんな人に」「気をつけること」「上手くいかないとき」といった、患者が知りたいポイントに沿って整理されています。疾患や治療の情報を一方的に伝えるのではなく、疑問や不安を起点に理解を促す構成が参考になります。


DMTOWN

https://www.dm-town.com/


サイトディスクリプション

糖尿病情報サイトDMTOWNでは、自覚症状、検査、予防、食事・運動、合併症についてや、専門医によるインスリン療法の解説など、幅広い情報をお届けしています。

キーワード

糖尿病,症状,原因,予防,治療,食事薬メニュー,薬,検査,インスリン,糖尿病 チェック,合併症,診断,インスリン,dmtown,DMタウン,DMTOWN

コンテンツ

  • 糖尿病を知ろう

 病態や合併症について、図を用いて解説。世界の患者人口の紹介もあり

  • 診断と治療の流れ

 問診・検査、診断後の血糖管理、治療中の検査について説明

  • 食事・運動療法

 食事療法と運動療法の基本的な考え方を文章で説明

  • 経口血糖降下薬による治療

 働き・対象・注意点・上手くいかないときの項目を各薬剤で紹介。子どもと高齢者の場合のポイントコンテンツもあり。

  • インスリン注射による治療

 効果発現・持続時間をアニメーションで紹介。使い方や調整方法などの解説もあり

  • インスリン療法へ不安をお持ちの方へ

 早期開始のメリットやライフステージ別の情報を解説。開始の不安を払拭するコンテンツもあり

  • 患者さんの声

 患者がインスリン療法のリアルを語る動画を配信。注射の実演もあり

  • 専門医の声

 糖尿病専門医からのメッセージ文や3分でわかる解説動画を用意

  • 病院を探そう

 外部サイトの病院検索を紹介

  • DMTOWN Q&A

 低血糖やインスリン療法の質問を掲載。ライフスタイル別の悩みは、Q&A形式で医師が解説

  • 1型ひろば

 当事者であり医師である方からのメッセージ動画を用意。複数人の患者座談会や子供向け疾患解説動画もあり

  • 小児糖尿病教職員向け訪問プログラム

 外部サイトへのリンク

  • Web市民公開講座

 過去開催のセミナー動画を配信

日本イーライリリー・田辺ファーマ かえよう糖尿病

「ひとりで『頑張る』だけじゃ、血糖値は下がらないかも」というメッセージを入口に、血糖値には本人の努力だけでなく、体質や環境などさまざまな要因が関係することを紹介する切り口が特徴的です。偏見の払拭に向けて「ダイアベティス」という呼称を紹介するコンテンツも用意しており、患者が自分を責めずに治療と向き合えるよう促しています。


「あなたに適した治療法は?」では、食事・運動・薬物を三角に配置し、3つを組み合わせて治療に取り組む重要性を視覚的に訴求しています。さらに、治療について医師に相談するきっかけづくりにも力を入れています。


「医師にどう相談する?」では、診察時に伝えたいことや確認したいことを患者自身が整理できるよう「話そうシート」を用意し、医師とのコミュニケーションにつなげています。疾患や治療法を一方的に解説するのではなく、患者心理や思い込みに目を向け、自分に合った治療を医師と一緒に考えるよう促す構成が参考になります。


かえよう糖尿病

https://www.kaeyou-dm.com/


サイトディスクリプション

なし

キーワード

なし

コンテンツ

  • 糖尿病から「ダイアベティス」へ

 世界の共通語「ダイアベティス」を紹介

  • ダイアベティス(糖尿病)を正しく知ろう

 ダイアベティスの本質、血管合併症について図を使い解説

  • あなたに適した治療法は?

 食事・運動・薬物の重要性をイラストや図で訴求

  • 医師にどう相談する?

 会話形式で医師への相談の仕方を紹介。ダウンロード資料「話そうシート」あり

調査対象20社以外にも、工夫が見られるサイトをチェック

調査対象の20社には含まれませんが、糖尿病領域を主力とするノボ ノルディスク ファーマのサイトも紹介します。疾患解説だけでなく、ユニークなコンテンツや取り組みを紹介しているサイトです。

ノボ ノルディスク 糖尿病サイト

イベントでは「歩いて学ぶダイアベティスウォークラリー」と題し、日本糖尿病協会などとの共催で全国各地でのウォークラリーイベントを開催。患者や家族をはじめとする参加者が公園などを歩きながら、病気を学べるイベントです。小児患者向けにはサマーキャンプを開催し、参加者を対象にスケッチコンクールも実施しています。


食事療法の重要性も訴求しており、「糖尿病食レシピ」ではキーワードでの検索も可能。コンビニ食材を使った簡単レシピや動画レシピもあり、料理が苦手な人でも取り組みやすくまとめています。その他、「糖尿病の三問題」と題し、信長・秀吉・家康が医師との会話形式で学ぶコンテンツも掲載しています。


また、1型糖尿病の人で構成するサイクリングチーム「チーム ノボ ノルディスク」を設立しており、チームの活躍や各選手についてサイト内で紹介。企業としての疾患サポートへの取り組みが伝わってきます。


公式YouTubeでは簡単エクササイズ動画や患者インタビューを配信。公式Xでは疾患情報やイベント情報などを発信しています。


ノボ ノルディスク 糖尿病サイト

https://www.club-dm.jp/

「知る」から「続ける」へ ― 治療と生活を支える疾患啓発サイトに

今回調査した糖尿病領域の疾患啓発サイトでは、疾患や検査・治療を正しく伝えるだけでなく、その先の受診・相談・治療継続や、食事・運動といったセルフケアまで支える工夫が目立ちました。インスリン治療への不安、診察時の相談、日々の食事など、患者が実際に直面する場面に沿って情報を届けることで、次の行動につなげようとする設計です。


また、「ダイアベティス」という表現を取り入れ、本人の努力不足や自己責任といった誤解・偏見を和らげようとする動きも見られました。長く付き合うことの多い糖尿病だからこそ、疾患啓発サイトにも、正確な情報提供に加えて、患者や家族の不安を軽減し、相談や治療継続を後押しする役割がより求められているのではないでしょうか。



<出典>

1)International Diabetes Federation, World Diabetes Day 2026

 (https://worlddiabetesday.org/)

2)日本糖尿病学会, 2026年度 World Diabetes Day/ダイアベティスウィークのご案内

 (https://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?content_id=516)

3)厚生労働省, 令和6年「国民健康・栄養調査」の結果

 (https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66279.html)

ダウンロード資料「製薬企業の糖尿病関連啓発サイトを調査【2026年11月版】」

  • 糖尿病 7サイト
  • 合併症 3サイト


(各サイトのサイトディスクリプション/キーワード/コンテンツ一覧/特徴/SNS)