10/10は世界メンタルヘルスデー - 製薬企業のメンタルヘルス関連の啓発サイトを調査【2026年8月版】

10/10は世界メンタルヘルスデー - 製薬企業のメンタルヘルス関連の啓発サイトを調査【2026年8月版】

10月10日は、世界全体で心の健康への理解を深める「世界メンタルヘルスデー」です。メンタルヘルスの不調は年齢や立場を問わず誰にでも起こり得るものであり、正しい知識と身近な支援の入り口を届ける疾患啓発の重要性は、年々高まっています。

そこで本記事では、世界メンタルヘルスデーを前に、製薬企業が運営するメンタルヘルス関連の疾患啓発サイトを再調査しました。今回の調査から見えてきたのは、疾患を「解説する」段階から、患者さんの生活を「支える」段階への進化です。特徴的な3サイトの取り組みとあわせてご紹介します。

メンタルヘルス関連の啓発サイトを運営している製薬企業一覧

精神疾患を有する総患者数は約603万人に達し、そのうち外来患者数は約576万人と、多くの人々が日常的に疾患と向き合っていると報告されています1)。5人に1人が生涯のうち何らかの精神疾患を経験すると推計されており2)、特に近年は10〜20代の若年層での心の病の罹患が高い傾向にあります3)

今回は、うつ病、統合失調症、発達障害、睡眠障害、アルコール依存症、禁煙などに焦点を当ててメンタルヘルス関連の疾患啓発サイトを調査しました。

本記事では、製薬企業20社のうち上記のメンタルヘルス関連のサイトを運営する企業を対象としています。メンタルヘルス関連の疾患啓発サイトを運営していたのは8社、合計22サイトでした。

※調査対象は、2024年4月~2025年3月の販売会社ベース企業売上ランキング(出典:IQVIA)より抜粋した20社

メンタルヘルス調査サイト一覧202610/10は世界メンタルヘルスデー - 製薬企業のメンタルヘルス関連の啓発サイトを調査【2023年9月版】
2023.09.27
分析・リサーチ情報
10/10は世界メンタルヘルスデー - 製薬企業のメンタルヘルス関連の啓発サイトを調査【2023年9月版】

単なる疾患解説にとどまらず、患者本人の「生活の質(QOL)」や「社会復帰」を具体的に支援するコンテンツが多く見られました。また、周囲のサポーター(家族、職場、教育現場)への働きかけを重視する姿勢がより鮮明になっています。


ここでは、特に特徴的なアプローチを行っている3サイトをご紹介します。他のサイトを含めた調査結果については、ダウンロード資料をご用意しております。ページ下部よりダウンロードしてください。

武田薬品工業 「うつ、ここから晴れ」

「うつを正しく知り、その向きあい方を理解すること」をコンセプトに、患者本人とその周囲の人々を多角的にサポートするサイトです。扉を開くようなビジュアルデザインからは、心理的ハードルを下げる温かみを感じます。


トップページから「うつ病かな?と思ったら」「うつ病と診断された方へ」「うつ病患者さんを支える方へ」と、状況に合わせた導線が設計されています。各コンテンツはQ&A形式で解説しており、アニメーション動画での解説も用意されていました。


特に注目すべきは、サポーター向けのコンテンツです。「うつ病患者を支えるための10のこと」や、当事者のリアルな声を反映した「救われた言葉、傷ついた言葉」など、具体的なコミュニケーションのヒントが提示されています。


うつ、ここから晴れ

https://www.utsu-kokokara.jp/

サイトディスクリプション

うつ病で悩んだり、苦しんだりしていませんか? うつ病の概要や症状、治療、各種制度やサポートまで、患者さん・当事者とその周囲の人が知りたい情報をご紹介します。

キーワード

うつ病,うつ,うつについて,うつ病への理解,うつ病とは,うつ病の症状,うつ病の診断,うつ病の誤解,うつ病の治療法,武田薬品工業,タケダ,ルンドベック・ジャパン株式会社

コンテンツ

  • うつ病かな?と思ったら

 基礎知識やセルフチェックを掲載

  • うつ病と診断された方へ

 生活や周囲とのかかわり方、仕事、治療、支援制度を紹介

  • うつ病患者さんを支える方へ

 支えるための10のこと、救われた・傷ついた言葉などを紹介

  • 病院機関検索

 厚生労働省運営の検索ページへ遷移

エーザイ 「相談e-眠り」

不眠に悩む人々に寄り添う、多様な睡眠障害を扱うサイトです。Web CM「最近、ぐっすり眠れてる?」や、タイプ別の不眠につながる習慣を描いたストーリー動画「朝は、やってくる」など、自分の眠りを見直すきっかけとなる動画コンテンツも用意されています。


ユニークなコンテンツとして、「寝不足ひつじと学ぶ」というキャラクターを用いたコラムが展開されています。難しい医学知識を「ものしりまくら」というキャラクターが解説する形式をとることで、心理的なハードルを下げつつ、正しい知識の習得を促せるコンテンツです。ポケモンのキャラクターを採用した、世代別の「おやすみガイド」のPDF提供も行っています。


病院検索は、エリアだけでなく日時で絞り込める機能があり、今通える医療機関を探せるため、受診への一歩を踏み出しやすくなっています。


相談e-眠り

https://e-nemuri.eisai.jp/

サイトディスクリプション

【エーザイ公式】「相談e-眠り」は、エーザイ株式会社が運営する、眠り・睡眠障害・不眠症に関する情報サイトです。

キーワード

なし

コンテンツ

  • 最近、ぐっすり眠れてる?

 不眠に悩む人が当サイトを利用しながら不眠を改善していくストーリー動画を配信

  • 朝は、やってくる 良い眠りには理由がある

 タイプ別の不眠につながる習慣を動画で紹介

  • 不眠や睡眠について

 不眠の基礎知識や種類、コラムを記事形式で掲載。体験談もあり

  • 眠りのセルフチェック

 約1分でできる計8問のセルフチェックを用意

  • 不眠症治療と薬について

 治療について記事形式で解説。図やアンケート結果も挿入あり

  • 睡眠を一緒に学ぶ

 医師へのインタビュー記事、豆知識、キャラクター解説コラムを掲載

  • 眠りのための手引き

 世代別「おやすみガイド」や睡眠薬服用者向けPDF冊子を提供

  • 病院・施設

 エリアや日時から診療可能な医療機関を検索可能

  • 眠りの用語集

 眠りに関する専門用語を解説。出典の記載もあり

大塚製薬 「減酒.jp」

「お酒を減らすことからはじめてみませんか?」という、アルコール依存症の早期介入を促すアプローチが特徴的なサイトです。完全に断つ「断酒」だけでなく、量を減らす「減酒」という選択肢を提示することで、受診や相談のハードルを下げ、健康リスクの低減を促しています。


実用的なサポートツールとして、日々の飲酒量や服薬を記録できる「減酒にっき」アプリを提供しています。デジタルツールを活用して自己管理を支援する仕組みは、長期的な行動変容を促す上で有効な手段といえるでしょう。


「お酒の依存度チェック」では、飲酒量の参考となるビールやワインなどさまざまなアルコールの換算目安を提示しており、迷わず入力できます。チェック結果の表示後には、受診や相談を促す導線も確保されています。「見直しませんか?飲酒習慣」と題した物語で依存症リスクを伝えるコラムは、「自分も当てはまるかも?」と気づける内容です。医師による患者インタビューは、動画の他、チャット形式での内容紹介も掲載しています。


減酒.jp


https://gen-shu.jp/

サイトディスクリプション

「減酒.jp」は、飲酒によるリスクやアルコール依存症に関する情報を提供するサイトです。「お酒をやめる」だけではなく、「お酒を減らす」という治療法についてもご紹介しています。

キーワード

なし

コンテンツ

  • アルコール依存症とは

 基礎知識や進行ステージ、なりやすい人の特徴を紹介。注意が必要な飲酒習慣のコラムやセルフチェックもあり

  • 飲酒量と健康リスクの関係

 飲酒により引き起こされる病気や、健康リスク、減酒による効果を紹介

  • お酒を減らす方法・改善策

 減酒方法や治療、飲酒量の目標の決め方、「減酒にっき」アプリを紹介。受診を促すアニメ動画や患者と医師のインタビュー動画もあり

  • ご家族・ご友人の方へ

 アルコール依存症の可能性がある変化の例や、周囲の方が本人と話す際のアドバイスを掲載

  • アルコール依存症Q&A

 よくある質問を掲載。回答にはサイト外のお役立ちツールへのリンクもあり

  • お役立ち資料

 飲酒習慣の見直しを促すアニメーション動画を配信

  • 相談窓口を探す

 地域別に相談可能な機関の電話番号とWebサイトを紹介

  • 医療機関を探す

 外部サイトを紹介

知識を「伝える」から、行動と生活を「支える」へ

今回の調査を通じて感じたのは、メンタルヘルス領域の疾患啓発が「正しい知識を伝える」段階から、「行動と生活を支える」段階へと重心を移しつつあることです。疾患の解説やセルフチェックはもはや前提で、各社の工夫は、その先にある受診・相談・日々のセルフケアをどう後押しするかに向けられています。


メンタルヘルスの疾患は治療が長期にわたることが多く、患者本人だけでなく家族や職場にも影響が及びます。当事者向けの情報に加えて、支える側への情報提供や日常で使えるツールが増えているのは、その表れといえます。


疾患啓発サイトに求められる役割も、正確な情報を掲載することから、見た人の行動につなげることへと少しずつ広がってきているようです。世界メンタルヘルスデーを前に、自社のサイトが誰の、どんな行動を後押しできているのか、あらためて見直すきっかけになれば幸いです。


<出典>

1)厚生労働省,精神保健医療福祉の現状等について

https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001374464.pdf

2)厚生労働省,世界メンタルヘルスデー2026,メンタルヘルスとは

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/mental_health_day/amh.html

3) 独立行政法人労働政策研究・研修機構, 「心の病」増加傾向が約4割、年代は10~20代が最多 ――日本生産性本部「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果

https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2026/01_02/special_02.html




本記事では調査対象の一部について紹介しましたが、さらに詳しいコンテンツ一覧など、今回調査した詳細な情報はダウンロード資料よりご確認いただけます。下記フォームに必要事項をご記入の上、お申し込みください。資料ダウンロード用URLをお送りいたします。

ダウンロード資料「製薬企業のメンタルヘルス関連啓発サイトを調査【2026年8月版】」

  • 睡眠障害 5サイト
  • 統合失調症 1サイト
  • 双極性障害・うつ 3サイト
  • 発達障害 8サイト
  • アルコール依存症 2サイト
  • 禁煙 1サイト
  • その他 2サイト


(各サイトのサイトディスクリプション/キーワード/コンテンツ一覧/特徴/SNS)