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セミナーレポート/進化する医師向けサイトを調査データから分析 -新規会員獲得と医師データの活用-

セミナーレポート/進化する医師向けサイトを調査データから分析 -新規会員獲得と医師データの活用-

2023年4月に、国内最大級のデジタル/IT×製薬業界をつなぐイベント『ファーマIT&デジタルヘルス エキスポ 2023』が開催されました。本記事では、株式会社メディクトの下山 直紀氏と株式会社medパスの佐藤 晃氏による講演「進化する医師向けサイトを調査データから分析 -新規会員獲得と医師データの活用-」より、COVID-19禍を経た現在の医師向けサイトの状況や課題、今後求められる施策についてレポートします。

COVID-19の流行を機に登録会員が増加した医師向けサイトの現状

COVID-19の感染症法上の位置づけが5類へと移行し、日本でも「アフターコロナ」へと転換しつつある今、製薬企業が運営する医師向けサイトはどのような課題を抱えているのでしょうか。最初にメディクトの下山氏は、ここ2~3年におけるCOVID-19の感染拡大を背景とした医師への情報提供の変化について説明しました。

COVID-19の流行以降、MRの病院訪問が制限された製薬企業各社は、医師に直接会う機会が減少しデジタルによる情報提供を強化せざるを得ませんでした。デジタルによる情報提供の方法は大きく2つに分けられます。

1つはペイドメディアの活用。「m3.com」や「日経メディカル」などの医師向けメディアを利用し、情報提供する方法です。

もう1つは自社で所有するデジタルチャネルを活用した積極的な情報発信。具体的には、Webサイトの強化やWebセミナーの開催数増加、メールマガジンの積極的活用、VeevaのApproved Emailなどを利用したMRからの情報提供、LINEの活用など、自社でコントロール可能な各種メディアやオンラインサービスを介して医師への情報提供を行う方法です。

医師向けサイトの訪問者数推移を毎月調査し公開している「Medinew」のオウンドメディア定期レポートより、2020年3月の緊急事態宣言から約3年間の数値を比較したところ、緊急事態宣言を境に多くのサイトで情報収集を目的とした訪問者が急増したことが明らかになりました。Webサイトへの訪問者数増加は、会員数の増加も意味します。さらに下山氏が「メディクトが支援する医師向けWebサイトは、検索流入数が約10倍に跳ね上がった」と語るように、能動的にWebサイトを訪問し情報収集する医師が、ここ2~3年で増えたと言えそうです。

コロナ禍の医師の行動
2023.4.21 (株)メディクト、(株)medパス「進化する医師向けサイトを調査データから分析 -新規会員獲得と医師データの活用-」資料より抜粋



下山氏は「COVID-19の影響下で、医師の情報収集は変化した。検索エンジンにキーワードを入れて能動的に情報を検索し、積極的にWebサイトを利用している。付随して会員登録やメールマガジンによる情報取得が増えたことも特徴である」と、COVID-19の影響下における医師の行動変容についてまとめました。

一方で、2022年春頃から医師向けサイトへの訪問者数は減少傾向です。医師の行動はCOVID-19の影響が収束に近づくにつれて変化し、アフターコロナのフェーズに入ったのではないかと考えられます。

製薬企業の医師向けサイトの利用実態

続いて、メディクトが2023年4月に実施した医師を対象とするアンケート調査結果も紹介されました。

勤務医・開業医間で医師向けサイトの利用率に差異

アンケートによると、医師が会員登録している医師向けサイトの数は「3~5社」との回答が最も多いという結果でした。

また、「製薬企業の医師向けサイトへの訪問頻度」を全体・勤務医・開業医の3軸で調査した結果は、全体で「週1回の訪問」が13.5%、「週2~3回の訪問」が15.8%、「月1回の訪問」が12.1%となりました。

一方で、医師向けサイトを「まったく利用しない」数が全体の28.8%に対し、開業医は40.0%と大きな差が出ています。

この調査結果から、開業医ではMRによる訪問が徐々に戻りつつあり、Webサイトを利用しなくてもよい状況になったと推測できそうです。

Q. 製薬企業の医師向け会員サイトへの訪問頻度
2023.4.21 (株)メディクト、(株)medパス「進化する医師向けサイトを調査データから分析 -新規会員獲得と医師データの活用-」資料より抜粋



また、下山氏は「医師が情報収集にかけられる時間には限りがあり、自然と利用するサイトや訪問頻度は限定される。したがって、製薬企業が運営する医師向けサイトの訪問者数やアクティブユーザー数が下がるのは当然の結果だと言える」と考察しました。

休眠会員のアクティブユーザー化が課題に

会員登録数が増えても、実際に定期的にサイトに訪問されるとは限りません。「医師が製薬企業の会員サイトの登録をやめる理由」の調査では、全体で約30%が「退会はしないが利用はしない」、約18%が「退会したことがない」と回答しました。開業医に絞るとさらにその割合が多くなり、「退会はしないが利用はしない」が約43%、「退会したことがない」が約27%にもなります。

製薬企業の医師向け会員サイトの会員登録をやめる理由
2023.4.21 (株)メディクト、(株)medパス「進化する医師向けサイトを調査データから分析 -新規会員獲得と医師データの活用-」資料より抜粋



この調査結果を重要な問題と位置づける下山氏は、医師が会員登録したWebサイトが今後放置されることが懸念され、全体で50%、開業医については70%が休眠会員になる可能性があると指摘。休眠会員の増加は深刻な課題となるため、サイトが継続的に利用されるための施策の必要性について強調しました。

約50%が休眠になる可能性
2023.4.21 (株)メディクト、(株)medパス「進化する医師向けサイトを調査データから分析 -新規会員獲得と医師データの活用-」資料より抜粋



COVID-19禍において医師が自ら情報を検索するようになり、Webサイトへの訪問が増えたことは、初期接触においてデジタルチャネルが非常に有利に働くことの裏付けとなりました。

その上で、今後は継続的なコンテンツの追加やメールマガジン、ペイドメディアによる訪問動機の創出といった、休眠会員をアクティブユーザー化する施策が重要になるでしょう。

医師がサイトに求める機能の把握・実装が会員継続のポイント

医師のニーズに応えるために、医師向けサイトにはさまざまな機能が追加されています。

「医師が便利だと思う機能」の調査結果では、「おすすめコンテンツの表示」「アクセスランキング」などサイト訪問者にマッチするコンテンツを示すWeb接客に関わる機能への要望が多いことがわかりました。

Q. 医師向けサイトに設置されていて便利だと思う機能
2023.4.21 (株)メディクト、(株)medパス「進化する医師向けサイトを調査データから分析 -新規会員獲得と医師データの活用-」資料より抜粋



この結果は、サイト構造を知らない、時間の無い医師にとってサイト訪問した際に「何を見れば良いのかアテンドして欲しい」というニーズが高いことを示しています。

WEB接客機能のニーズは高い
2023.4.21 (株)メディクト、(株)medパス「進化する医師向けサイトを調査データから分析 -新規会員獲得と医師データの活用-」資料より抜粋



また、「MRお問い合わせ機能」への回答が13%に上った結果にも下山氏は注目。「MRへのお問い合わせ機能が欲しい医師は、過去に医師向けサイトを利用したものの課題を解決できなかった経験を持ち、MRにすぐに相談・確認したいというニーズがあると考えられる。今の医師向けサイトに求められている重要な機能だと言える」と、スピーディな情報提供の必要性を語りました。

また、会員登録の目的について、2022年4月と2023年4月の調査結果を比較したところ、大きな変化が見られました。「Webセミナーを視聴したい」との回答が74%から31%に、「限定コンテンツを視聴したい」との回答が45%から19%と大幅に減少していました。

WEBセミナー ニーズの低下
2023.4.21 (株)メディクト、(株)medパス「進化する医師向けサイトを調査データから分析 -新規会員獲得と医師データの活用-」資料より抜粋



下山氏は「会員限定コンテンツを目的とした会員登録や集客は今後難しくなっていく」と話し、アフターコロナの潮目を示しました。

アフターコロナのサイト運営を強力にサポート

COVID-19が5類感染症に移行したことで、医師の意識や行動が変化し、医師向けサイトへの期待が薄れはじめました。今後は、会員登録数や利用者数の減少は避けられないでしょう。

今、医師向けサイトが注力すべき施策は、ペイドメディアによる新規会員獲得と、既存会員の定着・リピーター化です。

そして、医師が求めるコンテンツに素早くアクセスでき、「自分に必要な情報だけを手に入れたい」というニーズを理解して、おすすめコンテンツの表示や使いやすいサイト構成への改善、不要なメールは送らないといった、ユーザーファーストの施策が必要になります。

医師ニーズ×個別表示や通知にこたえる機能
2023.4.21 (株)メディクト、(株)medパス「進化する医師向けサイトを調査データから分析 -新規会員獲得と医師データの活用-」資料より抜粋



メディクトでは、医師のニーズに応える施策を実現するために2つのツールを提供しています。

1つは、医師向けサイトに特化したおすすめコンテンツの表示機能です。会員登録したユーザーの専門領域や診療科目、視聴履歴などのデータから、ユーザーに最適化されたコンテンツを表示します。

そして、もう1つは製薬企業向けのマーケティングオートメーションです。これまで手作業で行われていたマーケティング活動の一部を自動化するソリューションでは、アクセスログ解析や行動トラッキングなどの「分析」、セグメントメールやシナリオメールの配信を行う「育成」、SFAやCRMとの連携による「抽出」の機能を備えており、個別化した情報提供やMRへの情報連携をサポートします。アフターコロナの医師向けサイトに求められる機能を兼ね備えた、機能的なツールと言えるでしょう。

医薬特化型認証プラットフォーム「medパス」

会員登録数の増加のためには、登録やログインの手軽さも重要となります。「medパス」は、医療関係者限定のログイン認証サービスで、medパスのユーザーであれば各サイトへの登録を行うことなくログインが可能です。

メディクトの調査では、「医師が会員登録する理由」について「medパスを利用して簡単に登録できる」という回答が約10%、「医師向けサイトに設置されたら便利だと思う機能」として「medパスでの会員登録」という回答が22%という結果が出ています。

medパスに対する医師の印象
2023.4.21 (株)メディクト、(株)medパス「進化する医師向けサイトを調査データから分析 -新規会員獲得と医師データの活用-」資料より抜粋



medパスの佐藤氏は、現在、医師会員約17.5万人、薬剤師会員約5.7万人が登録する「medパス」の3つの特徴について紹介しました。

1つ目は、前述の通りアカウント一つでさまざまな医療系サイトにログインできる「シングルサインオン機能」。2つ目は、オプトインで取得したデータをDCFコード付きで提供する「顧客データ提供」。3つ目は「医師免許証や国家資格免許証をオペレーションで確認」している点です。

医薬特化型の認証プラットフォーム
2023.4.21 (株)メディクト、(株)medパス「進化する医師向けサイトを調査データから分析 -新規会員獲得と医師データの活用-」資料より抜粋



本人確認に際するオペレーションでは、「DCFコードが付いている医師ならログイン可」「国家資格免許証もしくは勤務先への電話で本人確認済みの医師のみログイン可」といった、各企業のニーズに応じて認証を実施しています。

medパスに登録可能な職種は医師や薬剤師の他、国家資格を中心とした27の職種で、最近では公認心理師が追加されました。今後も登録可能な職種が拡大されていくとのことです。

medパス登録可能職種
2023.4.21 (株)メディクト、(株)medパス「進化する医師向けサイトを調査データから分析 -新規会員獲得と医師データの活用-」資料より抜粋



medパス登録者の平均アクセス回数を分析してみると、医師は平均週2回、月間で12回ほど医療系サイトを利用しています。

月に12回医師サイトを利用するアクティブユーザー
2023.4.21 (株)メディクト、(株)medパス「進化する医師向けサイトを調査データから分析 -新規会員獲得と医師データの活用-」資料より抜粋



また、「直近1年間はアクセスした記憶がない」と回答したmedパスユーザーは約10%と低いという調査結果もあります。このことから、medパスの利用者は休眠会員の割合が低く、アクティブユーザーが多いと言えそうです。

サイトごとに会員登録をしてID・パスワードを管理しなくても、1つのアカウントでログインできる点は、忙しい医師にとって大きなメリットだと考えられます。

アフターコロナのフェーズに入り、医師向けサイトへのニーズもさらに変化しつつあります。医師向けサイトに関するサービスの拡充に取り組み続ける両社の動向に期待が高まります。