Sponsored by 株式会社メディクト

セミナーレポート/医師に利用されるオウンドメディアとは?調査データから医師のニーズを探る

セミナーレポート/医師に利用されるオウンドメディアとは?調査データから医師のニーズを探る

製薬・医療業界のテクノロジー動向や最新のソリューション・サービスを紹介する「ファーマIT&デジタルヘルス オンラインカンファレンス2022」が2022年10月に開催されました。本記事では株式会社メディクトの下山直紀氏と株式会社medパスの佐藤晃氏による講演「医師に利用されるオウンドメディアとは-顧客軸プロモーションの実現-」で解説された、会員化の進む医師向けサイトの課題や、医師向けサイトの在り方をまとめます。

変化する医師の情報取得方法

本講演では、各製薬企業が展開する医療関係者向けサイトをどう活用すべきかについて、メディクトとmedパスがそれぞれの独自調査データをもとに解説しました。

講演ではまず、メディクトの下山氏が昨今の医師の情報取得方法の変化について紹介しました。
下山氏によると、新型コロナウイルス感染症流行前は、多くの医師がMRからの情報提供を待つ「受け身」の状態でした。しかし現在、長引くコロナ禍の訪問規制により、医師が自らデジタルチャネルにアクセスする「能動的」な情報取得へと変化している、と話します。

このような医師の情報取得スタンスの変化に対応するように、製薬企業も医師向けサイトでの情報発信強化を開始。具体的にはWebサイトやメルマガ、MRによるメール、LINEなどを使いデジタルチャネルの強化を図っています。
また、医師のメールアドレスといった顧客データの取得、分析、個別化を行うための会員化の動きが見られるようになりました。

コロナによる情報取得手段の変化
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋


メディクトが製薬企業サイトの会員化状況を調べた結果、内資系企業売上トップ20社の100%、トップ41社の71%が会員化を行っていることが分かりました。外資系企業では売上トップ20社の75%、トップ25社の72%が会員化を行っており、ほぼ全ての医師向けサイトが会員化を実施している状況です。

会員化数:会員化サイト設置状況サマリー
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋


さらにメディクトでは、2021年から88社の製薬企業、機器メーカー、後発薬企業の医師向けサイトを対象にサイトリニューアル状況や機能の追加、デザイン変更、会員化状況の定点調査を実施。2022年10月現在で、2021年に8社、2022年に7社が医師向けサイトをリニューアルしていました。

医師向けサイトの変化
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋


医師向けサイトの全面リニューアルだけでなく、機能の追加やデザイン変更といった部分的な改修も複数のサイトで実施していることが分かります。「コロナ禍によって医師向けサイトに変化が見られており、特に動画コンテンツを中心としたリッチコンテンツをはじめ、さまざまな機能やサービスをサイトに付加する動きが見られます」と、下山氏は話します。

その他、Webセミナーの開催やメルマガによる情報提供の強化、MR・リモート専任MRへの連携機能の設置など、医師が訪問利用したくなるサイトにするために、各社がサービスの強化をしている状況であることが分かりました。

医師向けサイトの利用状況

さらに下山氏は、顧客の医師向けサイトへの訪問タイミングについて調査した結果を紹介。調査結果から、毎朝訪問する医師は44.0%、毎夜訪問する医師は13.5%と、半数以上の医師が1日1回、朝か夜のタイミングで訪問していることが分かりました。

Q. 医師向けサイトへの訪問タイミングはいつですか
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋


一方で、医師向けサイトへの訪問をやめる理由については、「サイトが使いづらい」という回答が39.5%、「新しい情報がない」という回答が33.5%という結果に。医師は、サイトの機能や情報に満足できない場合、サイト利用をやめる傾向にあることが分かります。
さらに、「メルマガが多すぎる」という回答が29.5%であったことから、サイトの情報発信手段として有効なメルマガも、送りすぎると逆効果になるといえそうです。

Q. 医師向けサイトの利用をやめる理由は何ですか
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋


続いて、医師向けサイトに設置されていると便利だと思う機能については「おすすめコンテンツ」「履歴表示」「アクセスランキング」などが上位に。ユーザーが情報を見つけやすい、あるいは何を見れば良いかを提示してくれるような、いわゆるWeb接客機能の人気が高いという調査結果が出ています。

Q. 医師向けサイトに設置されていて便利だと思う機能は
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋


以上の調査結果を受けて、下山氏は「多くの医師が毎日医師向けサイトを訪問しているものの、使いづらさを感じたり、新しい情報が得られなかったりするとサイト利用をやめること。サイトの評価を上げる機能としては、Web接客機能が挙げられること。メルマガは一定の訪問動機としては有効なものの、配信頻度が高すぎると会員解約につながること。この3点が特に注目すべき結果だといえそうです」と話します。

医師のニーズを満たすWebサイト運用にはMAツールが有効

調査結果を踏まえ、製薬企業は、顧客である医師は何を考えているか、何に反応するかを考慮した医師向けサイトの活用が必要です。

医師のニーズとしては「情報探しに便利な機能が欲しい」「限られた時間内で利用するため情報のミスマッチを減らしたい」「利用したくなるようなおもてなしが欲しい」「メルマガは欲しいが、頻度はほどほどにしてほしい」といった点が考えられます。
このような顧客ニーズを理解した上で、製薬企業は医師向けサイト上で最適なコミュニケーションと情報提供をしなければなりません。メディクトは、最適なコミュニケーションと情報提供をサポートするツールとして、MAツールを推進しています。

マーケティングオートメーションとは
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋


MAツールとは、会員の属性データや行動データとサイトのコンテンツをかけ合わせ、ユーザーごとに最適な情報を個別化して送るOne to One コミュニケーションを実現するツールです。
メディクトでは、製薬企業向けのMAツール「BtoD」を提供しています。「BtoD」ツール単体のみならず、医師向けサイトの成果をいかに上げるか、継続的に成果を上げるにはどうすれば良いかなどを考慮し、導入から運用までのサポートをパッケージで提供しています。
下山氏は、「ツールを入れても上手くいかない、どうすれば良いか分からないとお困りのお客様にも、ゼロから使い方をレクチャーし、将来的には内製化できるように支援を行っています」と話します。

複数のサイトに共通IDでログインできる「medパス」

medパスの佐藤氏は、医師向けサイトで活用できるログイン認証代行サービス「medパス」について紹介しました。

複数のサイトに共通IDでログインできる「medパス」
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋


medパスは、製薬企業・医療機器メーカーといった法人経営のオウンドメディアを中心に、会員増加や会員のアクティブ化のサポート事業を展開しています。

その1つが、医療関係者向けに提供しているシングルサインオン(SSO)機能です。1つのID・パスワードで複数のサイトにログインできる共通IDサービスで、特に医療関係者限定の会員制Webサイトに必要な医師の身元確認・資格確認なども含め、シングルサインオンで対応できます。
会員制のWebサイトはサイト自体の構築だけでなく、ログイン機能や会員管理などの構築も必要です。その際にmedパスを利用することで、ログイン機能設計、会員情報やデータの連携・管理などにかかるコストが軽減できます。

medパスのシングルサインオン機能の特徴は、アルトマークが提供する医師コードとの照合が可能という点。医師のログイン時に医師コードを付与した状態でAPI提供するため、高い精度で身元確認ができます。また、医師からの申請や希望に応じて、医師免許証の確認や勤務先への登録確認による身元の確認も対応可能です。

medパスのデータ提供流れ(オプトインによる情報提供)
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋


medパスは、医師の承諾のもと、medパスに登録されたメールアドレスを含む医師の情報をログイン先のWebサイトにAPIを通じて一括提供するという数少ないサービスである、と佐藤氏は説明します。

「medパスとBtoDはシングルサインオンで会員認証、マーケティングオートメーションに必要な会員データの連携をし、会員の詳細な分析と個別化された情報提供を実現しています」と下山氏。精度の高い顧客の属性データを分析・活用することで、精度の高いOne to Oneコミュニケーションの実現が可能であることを強調しました。

SSOの活用、データ連携により詳細な属性データを活用し分析
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋

医師向けサイトの課題とは

次に、下山氏と佐藤氏による「会員登録のハードル」をテーマにしたディスカッションが行われました。

佐藤氏は、「医師が製薬企業・医療機器メーカーの登録制Webサイトに関する印象」について調査結果を紹介。会員制の医療関係者向けサイトに対して、「情報も深く、オーソライズされているので安心して閲覧できる」というポジティブな意見を持つ医師もいる一方、「複数企業のオウンドメディアそれぞれにアクセスするのが面倒」というネガティブな意見も見られました。

企業の登録制Webサイトに関する印象
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋


下山氏はこの結果を受け、医師の会員登録のハードル、特にID・パスワードの管理や登録の手間が1つの障壁になっていると指摘。佐藤氏は、「medパスを導入することで、一社一社ごとのID・パスワードを管理せずとも、1つのアカウントで会員登録とログインができる点は大きなメリットだといえそうです」と話します。

さらに下山氏は、医師は複数の製薬企業のWebサイトを利用していることを調査結果をもとに提示しました。
メディクトが医師向けサイトへの訪問頻度および利用サイト数を調査した結果によると、週に1つのサイトへ訪問する医師は7.5%、2~3つのサイトへ訪問する医師は32.0%、4つのサイトへ訪問する医師は50.5%にのぼることが分かりました。つまり、約90%の医師が毎週医師向けサイトへ訪問していると考えられます。

Q. 医師向けサイトへ訪問頻度と利用サイト数は
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋


毎週4つ、さらにはそれ以上の医師向けサイトに訪問している医師の場合、medパスのようなシングルサインオンサービスがあれば、Webサイトごとに異なるID・パスワードを管理、入力するといった手間が省け、医師向けサイトへのアクセスが非常に楽になると想定できます。

また、医師が会員登録している医師向けサイトの数に関する調査では、68.5%の医師が3~5社の製薬企業の医師向けサイトに会員登録していることが分かりました。つまり、製薬企業はこの3~5社の中に自社の医師向けサイトが入るように運用する必要があります。

Q. 会員登録している医師向けサイトはいくつありますか
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋


この結果を受け、「医師は複数の製薬企業のWebサイトを訪問・閲覧したいということが分かります。それをいかに簡単に便利にできるか、という点が医師のニーズだといえるでしょう」と下山氏。

ユーザーを休眠化させないためには

さらに下山氏は、「訪問回数と会員の休眠化」の関する調査結果を提示。医師向けWebサイトに会員登録したユーザーがどのタイミングで休眠化するかを調査したところ、2回の訪問を最後に休眠化した会員が約50%、4回訪問で約70%、5回の訪問で約80%の会員が休眠化することが分かりました。

訪問回数と休眠会員の特徴(休眠するタイミング)
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋


この結果から、2回の訪問でユーザーに「わかりやすく、使いやすいサイト」という印象を与えられるかが重要だといえます。

ターゲットである医師の数は有限です。さらに、医師向けサイトの新規会員登録の獲得コストは非常に高くなっています。前述した通り、ターゲット医師が登録している医師向けサイト3~5社の中に入るべく、限られた登録サイト数の取り合いになっていると下山氏は指摘します。
このような状況の中、既存の登録会員の休眠化を防止することや、休眠会員をアクティブ会員に引き上げるといった施策も重要です。これらの施策には、MAツールを用いるほか、medパス会員に向けてメールを送ることができるターゲティングメールといったサービスの活用が有効です。

medパス ターゲティングメール 紹介
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋

高まるコメディカルのパネルニーズ

medパスは現在、製薬企業だけでなく、医療機器メーカーの利用も増えています。「医師に限らず、薬剤師、看護師、臨床検査技師といったコメディカルの職種もmedパスに登録可能です。今後は、医師・薬剤師以外の職種の方々の登録が増えていくのではないかと思われます」と佐藤氏は話します。

高まるコメディカルのパネルニーズ
2022.10.19 (株)メディクト、(株)medパス「顧客軸によるデジタルマーケティングの構築、運用 -調査データをもとに分析-」資料より抜粋


同じく、「メディクトでも医療機器メーカーや製薬企業だけでなく、さまざまな会社からお問い合わせをいただいており、今後は技師や薬剤師、看護師のパネルのニーズが高まると思っています」と下山氏。

今、医師が求めるニーズに応えられるWebサイトとはどういったものか、医師のニーズを満たすWebサイトを構築するためには何をすべきか。限られたターゲットに選ばれるためには、MAツールやシングルサインオン機能を利用しながら、医師が訪問したくなるWebサイト構築を目指す必要があります。

「ご興味があればメディクトやmedパスのサービスについて紹介しますので、ぜひお問い合わせください」と述べ、本講演を締めくくりました。

▼メディクト 下山氏、medパス 佐藤氏のインタビュー記事はこちら

医薬品デジタルマーケティングへの提言01|リアルからデジタルへシフト加速、スピード感と個別化がカギ
2020.05.01
製薬マーケティングノウハウ
医薬品デジタルマーケティングへの提言01|リアルからデジタルへシフト加速、スピード感と個別化がカギ
医薬品デジタルマーケティングへの提言02|医師の情報ニーズに対応する「デジタルMR」の機能強化を
2020.07.08
製薬マーケティングノウハウ
医薬品デジタルマーケティングへの提言02|医師の情報ニーズに対応する「デジタルMR」の機能強化を

▼医師向けサイト運営の関連記事はこちら

【医師の本音をきく】医師はオウンドメディアをどうみているのか?直接聞いてみた。誌上座談会(前編)
2022.09.07
マーケティング戦略
【医師の本音をきく】医師はオウンドメディアをどうみているのか?直接聞いてみた。誌上座談会(前編)
【製薬企業オウンドメディア担当者向け】サイト立ち上げ~運用までのポイントまとめ
2022.09.07
コンテンツマーケティング
【製薬企業オウンドメディア担当者向け】サイト立ち上げ~運用までのポイントまとめ