MDMD2025 Autumn開催報告|制約や規制を超えた製薬プロモーション実現へ、知見満載の2日間

Medinewは、2025年10月29日〜30日、製薬マーケティングをテーマとしたイベント「Medinew Digital Marketing Day 2025 Autumn(MDMD2025Autumn)」を開催しました。
MDMDは、メディカルマーケティングマガジン「Medinew」が主催するカンファレンスイベントで、2020年から開催しています。第10回を迎える今回は、オンライン講演をメインに、一部講演は東京・現地会場でのハイブリッド形式で行いました。
MDMD2025 Autumnでは、2日間にわたる全15講演に、医師や製薬企業の各部門の担当者、ベンダーで活躍する有識者など、製薬業界をリードする先駆者らが登壇。製薬マーケティングの最新トレンドや成功事例を共有しました。
製薬マーケを内外から見た議論で「打破のポイント」明らかに
MDMD2025 Autumnでは、「Beyond」をテーマに掲げ、業界の規制や常識、組織の壁、自身の思考の枠―あらゆる境界線を超えるための知見を得られる場とすべく、プログラムを組みました。
開幕に際して、Medinew編集長の小林が「マーケティングに実践的に役立つようなヒントをお届けできればと思っておりますので、ぜひ最後までお付き合いください」と挨拶。
続いて、Medinewによるオープニングセッションでは、ともにMedinewコラムニストであるDr.心拍氏(呼吸器内科勤務医、医師のキャリア形成・医療メディア運営/ヘルステックコンサルタント)、こういち氏(外資系製薬企業経営企画部所属、製薬キャリア3.0ブロガー)をパネリストに迎え、「実践者に聞く、枠を超える思考の磨き方」についてパネルディスカッションを行いました。
前回MDMDでのリアルタイムアンケート結果を提示した上で小林が問いかけた、「製薬マーケティングは停滞しているのか?」という質問に対し、こういち氏は「進化していると感じている」と回答。その理由を「レセプト、DPC、薬剤購入、さらには医師の学会発表や論文執筆などの情報がデータベースで提供されるようになり、マーケティングに活用できる素地が整ってきたから」とし、業界の状況を分析した上で、「マーケティング担当者には今後、分析力と仮説構築力が一層求められる」と話しました。
Dr.心拍氏は、昨今の製薬マーケティングの変化を振り返り、「昔は本当に制約なく、医師にさまざまな情報が提供されていた」が、現在は規制により難しくなったと、いくつかの例を挙げて説明。一方で、医師側はそうした規制による限界にあまり詳しくないために、よりギャップが生じている可能性があるとしました。「情報収集としては、信頼できる医師のXでの投稿を確認するのが最も早く、MRからの情報は2週遅れくらいということもあるのが現状。ただ、最近は製薬企業からもSNSの活用方法について相談いただくこともあり、行動の兆しも見えている」と期待感を表しました。
業界規制や社内調整が障壁となったときに乗り越えるための手法や、そうした成功を継続するために心がけたいことは―。Dr.心拍氏とこういち氏の、製薬マーケティングの内外からの視点を重ねるディスカッションは、マーケティング担当者へのエールで締められました。

以降も、各プログラムで活発な意見交換が行われました。オープニングセッションを含む各講演の詳細記事は、後日掲載します。
【1日目】
- 【Dr.心拍×製薬キャリア3.0×Medinew】実践者に聞く、枠を超える思考の磨き方/Medinew
- 行動変容のプロセスを一気通貫で実現するMediiの製薬企業向けオファリング/株式会社Medii
- 医師データ×外来コマ数で導き出す“重要医師”のターゲティング戦略 /ミーカンパニー株式会社
- 製薬業界のコンプライアンス・プロモーションにおける「人とAIの最適な連携モデル」/株式会社シャペロン
- オムニプロモーションはこうして差がつく 医師の行動起点が示すFactとは/株式会社メディカルトリビューン
- ROIを可視化する!患者施策成功の新アプローチ/株式会社メディカルノート
- 医師とともに考えるCRMツールの有効性と展望〜医師に選ばれるMRの条件とは〜/株式会社ビッグエムズワイ
- ターゲット医師の解像度を上げる:学会情報、論文情報の活用と抄録分析の可能性/株式会社医薬情報ネット
【2日目】
- 製薬マーケターと探る、効果的なオムニチャネルマーケティング実施のためのヒント/株式会社医薬情報ネット
- Web講演会インタラクティブデータを活用したパーソナライズドマーケティングの実現/株式会社Jストリーム
- ブランドプランを現場で動かすKPI設定とは~戦略実行の壁を突破して行動につなげる~/リープ株式会社
- 異業種に学ぶデジタルマーケティング〜競合分析で読み解く顧客体験向上の成功要因〜/SimilarWeb Japan株式会社
- データで進化するDM活用術:オフラインとオンラインの融合をパーソナライズDMで実現/ラクスル株式会社
- 医師のリアルを可視化するAntaaプラットフォームで実現、臨床ニーズ起点の情報設計/アンター株式会社
- 生成AIとともに乗り越える製薬オムニチャネルの「規定路線」/Medinew
製薬企業の実務リーダー4名と他業界の生成AI専門家が論を交えたワークショップ
MDMD2025 Autumn 2日目の最終プログラムは、オンライン/現地参加のハイブリッド形式で行われたワークショップ講演「生成AIとともに乗り越える製薬オムニチャネルの『規定路線』」でした。
最初に、川野清伸氏(ユーシービージャパン株式会社 免疫・炎症事業部 マーケティング部長 ※登壇時)と、大熊智子氏(旭化成株式会社 デジタル共創本部 リードエキスパート(生成AI・言語処理領域))が登壇して講演。製薬業界の知見と他業界の事例を織り交ぜつつ、生成AIの導入・活用に向けた最新動向や具体事例が共有されました。
それらをふまえた上で、来場者参加型のグループワークでは、生成AI活用の規模・難易度の視点から、製薬オムニチャネルの課題を分類。活用の道筋を議論しました。
さらに、それらの議論の結果をもとにパネルディスカッションも実施。パネリストとして、安藝貴文氏(大塚製薬株式会社 医薬営業本部 プロダクトマネージメントグループ 腎・免疫領域 PMM)、森岡真一氏(アステラス製薬株式会社 日本コマーシャル カスタマーエクセレンス部 部長)、今井幸伸氏(武田薬品工業株式会社 データ・デジタル&テクノロジー部 AI&ビッグデータ ヘッド)も登壇し、製薬企業のマーケティング・CXの視点、生成AIの専門家の視点それぞれから、課題解決の道筋に向けた深掘りが行われました。

8割が満足評価。「製薬マーケの外せない定例イベント」となるべく、今後も精進してまいります
イベント終了後のアンケート(n=42、2025年11月4日時点)で、約8割がイベント全体に「非常に満足」または「満足」と回答。「医師との対話に役立つ内容だった」「いつも貴重な学びの機会をありがとうございます」といったポジティブなフィードバックが寄せられました。さらに、8割以上の方から「次回も参加したい」との声をいただき、参加者にとって有意義なイベントとなったことが伺えました。

Medinewでは、各講演の内容をまとめたレポートを順次公開します。今回参加が叶わなかった方、振り返りをしたい方は、ぜひご確認ください。
次回はMDMD2026 Summerを、2026年6月4日(木)に東京にてオフライン開催する予定です。最新情報はメルマガやX(旧Twitter)で順次お知らせいたします。
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【MDMD2025 Autumn開催概要】
名称:Medinew Digital Marketing Day 2025 Autumn (MDMD2025 Autumn)
主催:Medinew(運営:株式会社医薬情報ネット)
開催日時:2025年10月29日・30日 両日12:00~18:00
開催場所:Zoom Webinarsを利用したオンライン開催(一部ハイブリッド)
対象:製薬企業・医療機器メーカーのマーケティング部門、営業企画部門、メディカル部門、デジタル部門 など
協賛企業:Medii、ミーカンパニー、シャペロン、メディカルトリビューン、メディカルノート、ビッグエムズワイ、Jストリーム、リープ、SimilarWeb Japan、ラクスル、アンター(順不同)
今後も、メディアやイベントを通じて、製薬・医療機器業界のデジタルマーケティングに関する最新トレンドや事例を紹介していきます。引き続きMedinewをよろしくお願いいたします。








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